長谷川健志HC「世界への挑戦の第一歩」 五輪最終予選に向けたバスケ代表が始動

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バスケ男子日本代表候補のメンバー発表会見に臨んだ長谷川ヘッドコーチ 【スポーツナビ】

 日本バスケットボール協会は7日、リオデジャネイロ五輪世界最終予選(OQT)に向けた3次強化合宿参加メンバー発表会見を、東京都内で行った。

 会見に出席したバスケットボール男子日本代表チーム「AKATSUKIFIVE(アカツキ ファイブ)」の長谷川健志ヘッドコーチ(HC)は、「われわれがようやく勝ち取った世界への第一歩です。今回のチームスローガンは『世界への挑戦の第一歩』と銘打ってスタートします」とコメント。しかし、過去アジアからOQTに出場したチームが1勝も挙げていないことにも触れつつ、「出たことのない大会で未知の挑戦です。練習期間が非常に短いので、正直不安も否めません」と口にし、「現実的には、まず予選2試合の中で1勝しよう。これが第一歩につながる」と意気込みを語った。

 日本は今後8〜12日の第3次合宿を経て、中国遠征を実施。その後、OQTに臨む選手を12名に絞り4次合宿を行った後、7月4日のOQTラトビア戦へと臨む。

日本代表候補選手16名

田臥勇太(リンク栃木ブレックス)
辻直人(東芝川崎ブレイブサンダース)
比江島慎(シーホース三河)
篠山竜青(東芝川崎ブレイブサンダース)※
太田敦也(三遠ネオフェニックス)
竹内公輔(自由交渉選手)
橋本竜馬(シーホース三河)
渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大)
金丸晃輔(シーホース三河)
竹内譲次(自由交渉選手)
松井啓十郎(アルバルク東京)
田中大貴(アルバルク東京)
古川孝敏(リンク栃木ブレックス)
ファイ・パプ月瑠(新潟アルビレックスBB)※
小野龍猛(千葉ジェッツ)
広瀬健太(日立サンロッカーズ東京・渋谷)

※初選出

ここからはチームとして機能しなければいけない

登壇者:
長谷川健志(バスケットボール男子日本代表 ヘッドコーチ)

 いよいよ一昨日、NBLのファイナルが終了し、ここからが本格的なスタートとなります。16名を第3次合宿、本格的な強化のメンバーとして選出しました。過去2回、3月、4月と29名、全員ではなかったのですが1泊2日の合宿を2回行いました。一つ(の理由)は、この選考(のため)というのがありました。もう一つは、来年から始まりますワールドカップの予選に(来年は)シーズン中に入る、ということのシュミレーションと位置付け、もろもろ確認をするために多くの人間を呼びました。

 ここからはチームとして機能しなければいけないということもあり、16名になりました。今後はこの16名を、来週の中国での大会が終わったあたりで最終的に12名にして、フランスでの合宿へ出発したいと考えています。

 16名の選出にあたりましては、昨年のアジア選手権の11名をと思っていましたが、1名荒尾岳選手がプレーオフの試合で足首の故障をし選考ができませんでした。ですからアジア選手権からは10名です。一昨年のアジア大会でも指揮を執らさせていただきましたが、その時は竹内公輔、辻直人、金丸晃輔がけがのため当時の合宿になかなか参加できず、途中で金丸、辻は多少合流しましたがまだ具合がよくなかったので、彼ら3名を追加しています。それ以外に、帰化選手として入れそうだということでファイ・パプ(月瑠)を選んでおります。正式に日本国籍(の取得)がかないましたので、今回は入れております。

 それから渡邊雄太ですが、彼は去年は1次と2次合宿での参加だったのですが、今年は学業との両立でなんとかOQTのスケジュールが取れるということで、この合宿から参加することになりました。それ以外では、東芝(川崎ブレイブサンダース)の篠山竜青が初選出となっています。

やるからにはリオを目指す

 ここから2016年のリオ五輪最終予選ですけれども、現実を申し上げますと、まだ12名は決まっていませんが、世界最終予選というのは、北京五輪、ロンドン五輪と過去2回あります。アジアのチームはかつて4チーム、韓国が2回、ヨルダンが1回、レバノンが1回。8試合やってすべて負けています。特にヨルダンとレバノンにいたっては相当の大差でヨーロッパ勢やアフリカ勢に負けています。しかし、われわれがようやく勝ち取った世界への第一歩です。今回のチームスローガンは「世界への挑戦の第一歩」と銘打ってスタートします。目標はあくまでもこの大会はリオ五輪の最終予選です。ですからリオを目指さないということはありえない。やるからにはリオを目指すというのが大きな目標です。その中でアジアが0勝8敗だというのが事実です。この事実を変えないと世界への第一歩はスタートできません。現実的には、まず予選2試合の中で1勝しよう。これが第一歩につながるのではないかと思います。

 欧州のチームは非常にサイズもありますしフィジカルが強いですが、日本の良い部分を発揮しながら戦えるチームを急造ではありますが作りたいと思います。正直に申して、今回出ている18カ国の中で世界ランキングは最下位で、出たことのない大会で未知の挑戦です。練習期間が非常に短いので、正直不安も否めません。でも置かれた場所で戦うのがわれわれの宿命ですので、そこは日本人の組織力や忍耐力を生かして戦うチームにしたいと思っています。(今回招集した)多くの選手をこれまでのチームで見てきていますので、比較的チーム作りはスムーズにいくのではないかと思います。

 川淵(三郎)会長からも「奇跡を起こせ」と言われています。男子にとってはBリーグのスタートの年でもあります。そういう中でも男子代表が結果を残すというのはとても大きな一歩につながると思います。われわれは最初のスタートを切れる12名として、その使命を感じてこのOQTに臨みたいと思います。

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