新エース候補MASAYA、坂本が揃って敗戦 北斗拳太郎は“新生SBの救世主”となるか!?

長谷川亮

エース宍戸の引退後、初の大会は厳しい結果に

先輩・宍戸のゲキに応えタップロンを追い込んだMASAYAだったが新生SB初戦を飾ることができず 【長谷川亮】

 シュートボクシング(SB)「SHOOT BOXING 2016 act.3」が5日、東京・後楽園ホールで開催された。
 長くSBをけん引したエース・宍戸大樹が4月大会で現役を引退。今回は新たな体制となっての第1回大会となった。

 宍戸が残した“Sの魂”を引き継ぐべく、メインイベントには前SB日本スーパーライト級王者MASAYAが登場。シーザージム所属で宍戸直系の後輩となるMASAYAは、エース争いのライバルである鈴木博昭を3度下しているタップロン・ハーデスワークアウトと対戦した。

宍戸の後輩MASAYAはタップロンにKO負け

タップロンの左ストレートに虚をつかれダウンを喫したMASAYAは無念のKO負け 【長谷川亮】

 ムエタイ戦士タップロンに蹴り合いでは厳しい勝負になると思われたMASAYAだが、強烈なミドル&ローを浴びても下がらず、自身もローとミドル、得意のボディーフックも交えて応戦。ミドルとフックでボディーを打たれることでタップロンはスタミナをロスしたか、2Rになると苦し気にMASAYAの蹴りをキャッチする様子が目に付く。セコンドについた宍戸も「相手を絶対に休ませるな」と指示を飛ばす。

 タップロンに消耗が見え始めた3R、MASAYAは距離を詰め攻撃をまとめに行くが、ここでロープを背にしたタップロンは左ストレート。虚をつかれダウンを喫したMASAYAは立ち上がるも足がフラついており、レフェリーは試合をストップ。エース襲名を手繰り寄せる勝利はならなかった。

日本Sウェルター級王者・坂本も判定負け

日本王者・坂本も判定負けで新生SBは試練の船出 【長谷川亮】

 また、セミファイナル前の第9試合には同じくシーザージムのSB日本スーパーウェルター級王者・坂本優起が登場。浅草で人力車を引く異色ファイターの坂本はフランスのバグダッド・ジャダンと対戦し、183cm、長身からの強打を浴びながらも前進したが、切り崩すには至らず2−0の判定で敗れた。

 SB、そしてシーザージムには厳しい結果に終わった今大会だが、SB協会・シーザー武志会長は「我々はこういったことを何度も経験してきた」と語り、選手たちのいっそうの強化と体制の立て直しを誓っていた。

1RKO勝利の北斗はベルト挑戦をアピール

1RKOで3連勝を飾った北斗拳太郎はシーザー会長にベルト挑戦をアピール 【長谷川亮】

 一方、そんな坂本に昨年8月・今年2月と連勝し、その特異なキャラでSBマットを賑わしているのが北斗拳太郎。『北斗の拳』を思わせる言動で所属するボスジムの“ボス神拳”の使い手と称する北斗は、中部の団体HEATを中心に活躍し19戦16勝(5KO)3敗の戦績を持つ田中STRIKE雄基と対戦。

 田中のパンチを浴びる場面もあったが、首を引き落としてのヒザで1度目、右クロスで2度目のダウンを与えて早々に初回ノックアウトすると「シーザー老師、そろそろSBのベルトを準備してほしい。少しでもいいので考えてくれ」と、遠慮がちながらも要求し、リングを後にした。

 また、この日はWPMF日本スーパーライト級王者・不可思が参戦し、ベルギーのバリーズ・カラバスを鮮やかなハイキックで3Rにノックアウト。当初予定されたザカリア・ゾウガリー戦はザカリアの負傷欠場により実現しなかったが、秋に予定されるS−cup出場へ繋がるインパクトある1勝となった。

女王RENAが世界王座防衛に自信

7.7「Girls S-cup」で世界戦が決まったRENAは防衛に自信 【長谷川亮】

 休憩明けの挨拶では、真夏の祭典「Girls S−cup」が七夕の夜、7月7日に都内・豊洲PITで開催されることが発表。保持するSB女子世界フライ級王座の防衛戦に臨むRENAはマイクを持つと、王座防衛はもちろん、後楽園大会でのメイン出場にも意欲を見せ、シーザー会長に直訴。
「(次戦を)絶対KOして(メインイベントに)上り詰めるので、よろしくお願いします」と意気込みを語り、観客の喝采を集めた。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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