“セリーナ1強”からついに新時代へ
22歳・ムグルサの全仏初Vが示したもの
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ムグルサが初優勝を飾った全仏オープン。22歳7カ月の女王誕生は女子ツアーの光明となった
ムグルサが初優勝を飾った全仏オープン。22歳7カ月の女王誕生は女子ツアーの光明となった【写真:アフロ】

 全仏オープン女子シングルス決勝が現地時間4日に行われ、第4シードのガルビネ・ムグルサ(スペイン)が第1シードで昨年の優勝者セリーナ・ウィリアムズ(米国)をストレートで下し、グランドスラムで初めての優勝を飾った。通算21度のメジャー優勝を誇るセリーナは、今年の全豪オープンに次いで準優勝に終わり、これで3大会、メジャータイトルから遠ざかっている。

失点を恐れず攻めたムグルサ

 初々しいチャンピオンの誕生だった。昨年の全米オープンではフラビア・ペンネッタ(イタリア)、今年の全豪オープンではアンゲリク・ケルバー(ドイツ)が、初めてのメジャー制覇を成し遂げたが、いずれもツアーではベテラン。ムグルサの22歳7カ月という若さが、停滞する女子ツアーに明るい光を投げかけた。


 女王セリーナは落ち着いた立ち上がりだった。第1セット、2度のサービスゲームを危なげなくキープし、第4ゲームのリターンゲームでは先にブレークポイントを握った。ここで、ムグルサが4度のデュースの末に持ち堪えたのが最初のポイントだっただろう。続く第5ゲーム、逆にムグルサが強烈なリターンで攻め0−40。セリーナは2つまでは強烈なサーブで逃れたものの、3つ目のブレークポイントでダブルフォルトを犯し、ムグルサが先にブレークした。


 この第4、第5ゲームの攻防で、ムグルサの気持ちは座っただろう。第8ゲームでブレークバックされても、第11ゲームの30−30からの打ち合いを制して再度ブレークし7−5で先行した。


 この日のムグルサには、記録の上で2つの特徴があった。風がそれほど強くなかったにもかかわらず、ダブルフォルトが9本と多かった。一方、9本以上のラリー交換が9度あったが、そのうちの8本までムグルサが奪い、第1セットにいたっては長いラリー5本すべてのポイントを獲得している。打ち勝った手応えが、第2セットの安定に結びついた。ダブルフォルトはマイナス現象ではあるが、この日ばかりは、強打のセリーナを向こうに回し、失点を恐れず思い切り打ち込んだ結果だ。第2セットも攻撃に徹し、第3ゲームをブレークしリードを奪うと、その後の4度のサービスゲームで4ポイントしか渡さないストレート勝利。完勝という内容だった。


 ムグルサはベネズエラ生まれ。6歳で父親の祖国スペインに移り、バルセロナのテニスキャンプで修業を積んだ。一躍注目を浴びたのは、2014年の全仏オープンのことで、2回戦でセリーナをストレートで下してベスト8。昨年も8強に名乗りを挙げており、その過程で3回戦でケルバー、4回戦ではペンネッタを倒している。この2人がいずれもその後のグランドスラム優勝者になったという、そんな手応えもまたこの日の飽くなき挑戦の下地になったに違いない。

全英がますます楽しみに

潔く敗戦を受け入れたセリーナ。3大会連続でグランドスラムの優勝から遠ざかっている
潔く敗戦を受け入れたセリーナ。3大会連続でグランドスラムの優勝から遠ざかっている【写真:ロイター/アフロ】

 間もなく35歳になるセリーナは、内転筋を痛めている上に、寒い雨の中での連戦という日程に苦労したが、潔くこの敗戦を受け入れた。


「第1セットのポイント差は1ポイント。大事なポイントを抑えるかどうかがカギだったけど、今日のムグルサは信じられないくらい良かったし素晴らしいチャレンジだった」


 この優勝でムグルサは世界ランク2位に浮上。3週間後に開幕するウィンブルドンでは昨年、セリーナと決勝で対戦し敗れている。芝の実績もあるだけに、楽しみが増えた。


 セリーナの1強時代からなかなか抜け切れなかった女子テニス界の新たな時代の始まり、そんな期待を抱かせる決戦だった。


(文:武田薫)


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