豪腕・柳擁する明大、V2狙う亜大に注目 第65回全日本大学野球選手権見どころ

松倉雄太

立命大・東はリーグ戦でノーノー達成

今春からエース格として急成長を見せた立命大・東。京大戦ではノーヒットノーランを達成した。その左腕で同校初の決勝進出を導けるか!? 【写真は共同】

 立命大(関西学生)は、今季エースに成長した左腕・東克樹(3年・愛工大名電高)のピッチングがカギを握る。リーグ戦では第3週の京大戦でノーヒットノーランを達成するなど、防御率0.65。最優秀選手、最優秀投手、ベストナインの三冠を獲得した。3番・辰己涼介(2年・社高)も昨秋の明治神宮大会で勝負強い打撃を見せた。優勝争いの中心になりそうなチームが反対側のゾーンに入ったこともあり、決勝進出を目指す大チャンスと言えそうだ。

 3校によるプレーオフを制したのが富士大(北東北大学)。エース・小野泰己(4年・折尾愛真高)は、最速151キロを誇るドラフト候補右腕。奈良学園大(近畿学生)の鈴木佳佑(4年・履正社高)も最速147キロを誇る関西屈指の右腕で、今季6勝。社会人野球へ進むことを決めているためドラフト候補にはならないが、全国の舞台でどんなピッチングを見せるかに注目だ。

逸材ショート・吉川が開幕戦に登場

 初出場は共栄大(東京新大学)、中京学院大(東海地区)、花園大(京滋大学)、環太平洋大(中国地区)、第一工大(九州地区南部)の5チーム。これは1990年以来26年ぶりの多さとなった。注目は中京学院大の吉川尚輝(4年・中京高)。177センチ79キロの三拍子揃った遊撃手で、ドラフト上位候補に名が挙がる逸材。東海地区岐阜リーグでは打率4割9分、12打点を記録。選手権出場を懸けた日大国際関係学部との試合では、同点の7回に決勝打を放ち勝負強さを見せた。リーグ戦では1試合で12球団47人のスカウトが視察したと言われ、日本文理大(九州地区北部)との開幕戦は国内のほぼ全スカウトが熱視線をおくる可能性がある。

 花園大は昨秋まで3季連続最下位。今年4月から伊香他を率いて甲子園に3度出場したことがある西岡義夫監督(79歳)が就任し、初優勝を果たした。5勝を挙げた148キロ右腕・大江克哉(2年・塔南)を中心に初出場初勝利を狙う。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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