【ドラゴンゲート】吉野が土井との因縁対決制し2連覇宣言 ドラゲーマットにまた驚異の外国人登場

高木裕美

KING OF GATE公式戦で実現した「土井吉」対決は、激闘の末、吉野が勝利 【横田修平】

 ドラゴンゲートシングルNo.1決定戦「KING OF GATE 2016」中盤戦となる2日の東京・後楽園ホール大会では、公式戦4試合などが行われた。

 メインイベントでは、KOGのDブロック公式戦として、土井成樹vs.吉野正人による、因縁の「土井吉」対決が実現。15分を超える熱戦の末、ソル・ナシエンテで勝利した吉野がDブロック首位タイに並び、2連覇達成を高らかに宣言した。

土井は脱落 吉野は連覇を約束

最後はソル・ナシエンテで吉野が勝利をもぎ取った 【横田修平】

 かつては「土井吉」と呼ばれ、オープン・ザ・ツインゲート王座やプロレスリング・ノアのGHCジュニタッグ王座なども獲得。名タッグチームとして活躍した両者だが、土井の度重なる裏切りなどで、いまや犬猿の仲となっていた。

 まずは吉野が先に入場すると、土井が背後から奇襲攻撃。土井はブーイングの嵐にもひるむことなく、吉野の額に凶器を突き刺しサミング。「オレの応援しろよ」と観客に噛み付いて余計にヒートさせる。なおも土井はターンバックルを引き剥がすと、むき出しの金具に吉野の背中を打ちつけ、足4の字固め、リバースDDT。吉野も場外へのムーンサルトアタック、コウモリで反撃に出る。

 10分過ぎに土井が大暴走、タイガードライバーから踏みつけ式フォール。吉野もミサイルキックで突き放すと、土井がDOI555。吉野がトルベジーノ、ソル・ナシエンテ。土井がバカタレスライディングキック。危険度MAXのマスキュラーボムは吉野が徹底的に阻止も、土井は雪崩式タイガースープレックス、DOI555。さらに場外からセコンドがレッドボックス攻撃を狙うも、吉野はこれをかわすと、トルベジーノからのソル・ナシエンテで勝利をもぎ取った。

 この結果により、1勝3敗の土井は優勝争いから完全に脱落。吉野は勝ち点6でGamma、ビッグR清水と並んで首位タイに浮上した。

土井に勝利し、2連覇を宣言した吉野 【横田修平】

 昨年度の覇者である吉野は「2連覇をできるのはオレだけ。絶対に2連覇します」とファンに約束。ファンも大歓声で期待を込めた。

Eitaが唯一の負けなし YAMATOは痛い2敗目

Eitaはジミー・ススムを破り、唯一の無敗に 【横田修平】

 Bブロック公式戦では、Eitaがジミー・ススムを破り、負け無しの首位タイに躍り出た。

 ススムはゴングと同時にジャンボの勝ち!で先手を取ると、その後もトップロープ越しに場外へ投げ落とすブレーンバスターや、ターンバックル攻撃、バックブリーカー3連発、コーナー上でのジャンボの勝ち!から雪崩式エクスプロイダーと、非情な攻めを見せる。だが、Eitaは続く夢限、ジャンボの勝ち!固めといった猛攻をすべて耐えしのぐと、アポカリシスで締め上げて勝利。リーグ戦出場者24人の中でただ1人無敗をキープしたまま、2勝1分の5点で、戸澤陽と並んだ。

YAMATOはドン・フジイに破れ、痛い2敗目 【横田修平】

 Aブロック公式戦では、YAMATOがドン・フジイに敗れ痛恨の2敗目。フジイは2勝2敗1分の5点で全公式戦を終了した。

 YAMATOは試合前にフジイに一礼し、右手を差し出すと、フジイも握手で応じてからノド輪落としラリアット、鉄柱攻撃、客席ステージ上でのコブラツイスト。場外リングアウト勝ちは逃したものの、その後も空中胴締め落とし、ラリアット、ノド輪落としと試合を優位に進め、YAMATOのスリーパーホールドを振り切って外道クラッチで3カウントを奪取した。

 試合後、フジイが「オレとおまえのハチャメチャな戦いはこれで終わりじゃないんじゃ。おまえには絶対優勝させんからな」と呼びかけると、YAMATOも「負けは負け」と右手を差し出すが、フジイは今度は左手を伸ばし、握手なしで別れた。

リーグ突破が見えたドラゴン・キッドを止めたのは2年連続準優勝のT-Hawk 【横田修平】

 Cブロック公式戦では、6点でブロック首位に立っていたドラゴン・キッドが、T-Hawkに敗れ2敗目。勝てば決勝トーナメント進出という最大のチャンスで失速した。

 T-Hawkはゴングと同時に奇襲攻撃を仕掛けると、逆水平チョップ、滞空式ブレーンバスター。キッドも619、場外へのムーンサルトアタック、飛びつき式フランケンシュタイナー。キッドもメサイアなどで反撃を狙うも、T-HawkがBTボム、ナイトライドとたたみかけてフィニッシュ。2年連続準優勝のT-Hawkが、悲願の初優勝へ望みをつないだ。

カッサが来日初日に度肝を抜くファイト

初来日となったピーター・カッサは、ファンの度肝を抜くファイトを見せた 【横田修平】

 これまで、リコシェ、マット・サイダル、ザ・ヤングバックス、PAC(エイドリアン・ネヴィル)などの数々の有名外国人選手を輩出してきたドラゲーマットに、またも驚異の新鋭が登場。初来日で早くも観客の度肝を抜くファイトを見せた。

 CIMAが1年半前から目をつけていたというピーター・カッサは、トライアウト無しという異例の待遇で聖地初登場。CIMA、Gammaと組んで、堀口元気H.A.Gee.Mee!!、斎藤“ジミー"了、ジミー・カゲトラのジミーズと対戦した。

 前日の夜の段階でまだシカゴにいたというカッサは、試合当日の15時に成田空港に到着し、17時25分に会場入り。だが、時差ボケや長旅の疲れを見せることなく、そのマッチョな肉体で観客を圧倒すると、その体つきから想像もつかない側転式トペを披露。斎了がCIMAに仕掛けたゴムパッチン攻撃こそ、不思議そうな表情で見つめていたが、カゲトラにスパインバスター、斎了にジャーマンスープレックス、堀口にフロントスープレックスを見舞うと、さらにその場飛びスカイツイスタープレスを披露。最後は豪快なカッサ・トルネード機複僑械亜襯好廛薀奪轡紊汎鰻燭離椒妊ープレス)で勝利。目の肥えた聖地のドラゲーファンにも鮮烈な印象を焼き付けた。

次回後楽園で6人タッグ3WAY戦が決定

 セミファイナルではYAMATOを中心に結成された新ユニット「TRIBE VANGUARD(トライブ・ヴァンガード)」のB×Bハルク、Kzy、ヨースケ・サンタマリアが、ヴェルセルクの鷹木信悟、“brother"YASSHI、谷嵜なおき組と対戦。

 鷹木が遺恨のあるハルクを急襲し、いきなりヒートアップすると、キャラのかぶるKzyとYASSHIもライバル心むき出し。吉野を裏切り、ヴェルセルク入りしたYASSHIが、レッドボックス攻撃、急所蹴りからのラ・マヒストラルでKzyを下した。

次回後楽園では6人タッグ3WAY戦が決定 【横田修平】

 だが、収まらないTRIBE VANGUARDは、メインイベント終了後、ヴェルセルクとMONSTER EXPRESSがにらみ合うリングに乱入。YAMATO、鷹木、戸澤の3人がマイクで激しくやり合った結果、次回7.7後楽園大会にて、吉野、戸澤、しゃちほこBOYのMONSTER EXPRESSと、鷹木、土井、YASSHIのヴェルセルク、YAMATO、ハルク、KzyのTRIBE VANGUARDによる6人タッグ3WAY戦が決定した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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