奈良くるみ、逆転ならずも大きな収穫
元女王に見せた、錦織さながらの反撃
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反撃を見せるも逆転ならず

ストレート負けを喫した奈良くるみ(写真)だが、元女王を相手に確かな手応えをつかんだ
ストレート負けを喫した奈良くるみ(写真)だが、元女王を相手に確かな手応えをつかんだ【写真:ロイター/アフロ】

 全仏オープンで3年連続となる初戦突破を果たした奈良くるみ(安藤証券)は、2回戦で第14シードのアナ・イバノビッチ(セルビア)と対戦した。第1セットを先にリードされながらも、奈良は安定したショットで反撃。元女王を脅かす場面もあったが、得意の逆転劇はならなかった。シングルスで残る日本勢は、これで錦織圭(日清食品)と大坂なおみの2人になった。


 この日のイバノビッチは立ち上がりのサーブが好調。全仏オープンでは2007年に準優勝、08年に優勝と、相性の良い環境が自信になっているのだろう。動きもショットも絶好調で、第1セットの第2ゲームに早くも奈良のサービスを破った。


 しかし、この日の奈良は「ゲームを取れなくとも、しっかり振り切って、早いタイミングで攻撃していくことだけを考えた」と落ち着いていた。第3ゲーム、すぐ15−40とブレークバックのチャンスをつかむ。ここは、イバノビッチにサービスエースを4本決められた。それでも第4ゲームのサーブで、4本のブレークポイントをしのいだのが大きかった。奈良は、錦織さながらにバックハンドの緩急をつけたボールでペースを変え、第7ゲームでついにブレークバックして追いついた。最後は、イバノビッチの集中力とパワーに押し切られたが、第1セットでのこの反撃は久々の収穫と言っていいだろう。

気休めになった白アスパラ

 奈良は大会前に帰国して1週間ほど完全にコートを離れたという。気持ちが切れてしまい心身のバランスが崩れる現象は、特に頑張り屋のベースラインプレーヤーに時々見られる傾向だ。1年中、気持ちを張り続けなければランキングを維持できないツアープロにとって、心身のバランス維持は大きなテーマである。休養期間の体重管理は難しく、ツアーに戻ってもすぐに緊張感を作り上げることはできないからだ。


 前哨戦のストラスブール国際からコートに戻った奈良が、あるエピソードを話した。この季節のヨーロッパでは白アスパラガスが旬で、フランス、ドイツ、オランダなどでは自宅やレストランで大量に消費される。奈良は、ストラスブールのレストランでその白アスパラを食べてすっかり気に入ったと言う。


「伊達さん(クルム伊達公子=エステティックTBC)や森田あゆみちゃん(キヤノン)においしいと聞いていましたが、食べたのは初めてで、10本くらい食べました。すごくおいしかった」


 奈良の全仏オープン初出場は6年前の10年である。今年初めて白アスパラを食べたというエピソードに、テニス一筋の頑張り屋な一面がのぞいた。


「(ブランクがあったので)体力が残らないだろうと思っていましたが、最後まで攻めることができたのは大きな収穫だったと思います」


 現在の世界ランキングは91位。五輪出場は遠のいたが、次はクロアチアのチャレンジャーに挑戦し、芝のシーズンに向けて再び気持ちは前向きになった。ツアーの先々で、白アスパラの他にもリラックスする対象を見つけられるかどうか……奈良だけでなく、若手選手にとっても大きなテーマである。


 なお、男子では第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)、第4シードのラファエル・ナダル(スペイン)ら上位勢が勝ち進み、若手で注目のボルナ・コリッチ(クロアチア)がバーナード・トミック(オーストラリア)を退け、今季好調のドミニク・ティエム(オーストリア)も勝ち上がった。


 女子ではセリーナ、ビーナスのウィリアムズ姉妹(米国)が3回戦に駒を進めたが、人気選手のウージニー・ブシャール(カナダ)はティメア・バシンスキー(スイス)にストレート負けに終わった。日本勢では、女子ダブルスで初めてペアを組んだ大坂、土居美咲(ミキハウス)が2回戦に進んだ。


(文:武田薫)


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