【ノア】潮崎豪、ノア復帰から半年間の思い 杉浦貴とのGHC戦に「運命を感じる」

高木裕美

ノア復帰から約半年、潮崎にここまでの戦い、そして決戦が迫った杉浦とのGHC戦について語ってもらった 【スポーツナビ】

 プロレスリング・ノアの春の天王山「GREAT VOYAGE 2016 in OSAKA」(5月28日/エディオンアリーナ大阪第一競技場)のメインイベントで、GHCヘビー級王者・杉浦貴に挑む潮崎豪にインタビューを敢行。古巣ノアに戻ってからの半年間、杉浦との4度目のGHC戦に向けての覚悟、故・三沢光晴さん、師匠の小橋建太さんについて、そして、故郷・熊本への思いなどについて直撃した。

引退までいる覚悟でノアに

復帰当初もブーイングや罵声も浴びたが、ノアを守りたいという気持ちで、それを声援へと変えた 【横田修平】

――ノアに戻ってから約半年が経ちました。この半年間で、変化を感じたことは何ですか?

 半年前から比べると、GHCまで行けた、というのが大きい。あの時(参戦当初)は本当に観客からも選手からも認められていなかった。GHC王座挑戦をつかんだのが、自分の中では変わったところ。

――昨年11.20後楽園大会のリング上で復帰表明をした時、観客の反応は結構痛烈でした。

 全部、ノアに再び上がるために覚悟していた。どんな声があったとしても、自分が辞めて帰ってきたのだから、ブーイングも罵声も受け止める覚悟はあった。「全部受け止めないと次に進めない」という覚悟はしていたけど、それでも予想以上に強かったですね(苦笑)。でも、それがあったからこそ、自分の「再びノアに上がりたい。ノアを守りたい」という気持ちが強まった。すべてを受け止めないと、叶えることができない事だから。

――私も現場にいましたが、あまりにも大きなブーイングに、「どうせ嫌われるなら、鈴木軍に入ってとことん嫌われよう」という気にならないかとも思ったのですが。

 自分の中では、ノアが鈴木軍という脅威にさらされている中で、ノアの力になって立ち向かいたい、ノアを守りたいという思いで復帰を決意したので、鈴木軍入りというのはまったく考えていなかった。

――もし、ノアが鈴木軍のような外敵のいない、平和な状況だったら戻らなかったですか?

 どんな状況でも、逆に自分がかき回してやろうと思ったかも。生まれ育った団体だし、ここに骨をうずめる、引退までここにいるつもりでノアのリングに上がったので。

ノアを守りたいという気持ちが伝わった

最初は拒否されていたが、ノアの大黒柱・丸藤とも握手を交わした 【横田修平】

――しかし、参戦直後は観客も選手の反応も厳しく、昨年12.23大田区大会では、メインイベント終了後、丸藤正道選手に握手を拒否されました。

 自分としては、ノアを守りたいという気持ちで帰ってきたことを伝えたかったし、丸藤さんが鈴木みのるからベルトを取り返したのに杉浦が裏切って、オレが力にならなきゃ、と思って、手を差し出した。

――続く1.31横浜大会では金丸義信選手の鈴木軍入りもあり、ついに丸藤選手と握手をしました。パートナーであった金丸選手の裏切りは予想していましたか?

 前の試合ぐらいまで金丸と組んでたけど、まったくそんなそぶりもなかったし、いつから結託してたのか分からなかった。だまされた、やられた、という感じ。金丸が鈴木軍に入り、だんだん力が大きくなっていく中で、四の五の言ってられないと感じた。ほんの小さな力かもしれないけど、ノアを守りたいという思いが伝わったんだと思う。

――丸藤選手は以前のインタビューで潮崎選手について「ノアに戻ってきたからには、以前と同じではダメだ」と言っていましたが?

 自分自身が一番危機感として分かってる。変化を出していかないといけないし、それを大阪で見せていきたい。

――今はフリーという立場ですが、ノアの一員として戦っている感覚はありますか?

 そういう風には考えてない。ノアの力にはなりたいけど、それは自分が力を発揮すればいいこと。仲間意識を持って甘えたくないし、あくまでフリーとしてノアを守りたい。ただ、ノアを潰したくない。

――今年の「ザ・リーヴ(ノアのスポンサードもしている不動産関連の会社)」のCMに出た時点で、ファンからも選手からも、ノアの一員として認められた感じはありますね。

 CMに出させていただいたのは大きいですね。出るのは2度目なんですが、まさか自分もあのダンプネタ()に絡むと思わなかったので……(笑)。

女子プロレスラー・ダンプ松本が登場し、主に丸藤に迫るという展開のCMシリーズ

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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