“開運のロズベルグ”が歴史を変える!? 今宮純のロシアGPインプレッション
鬼門となった1コーナー
スタート直後の「ロシアン・ルーレット」を、すり抜けたフェルナンド・アロンソ 【LAT】
第3回ロシアGP、まさに1コーナーはロシアン・ルーレットだった。ニコ・ロズベルグはポールポジションからクリーンなスタートを決めると、しっかりインサイドラインをブロック。後続がスリップストリームを使う前にセンターラインへ転じ、最適ポジションから最適なブレーキングを行った。タイヤロックはなく、とても落ち着いているように見えた。昨年と全然違うぞ、ロズベルグ。まわりがよく見えているポイントリーダーはキモの1コーナーを、きっちり自分のものにした。
今年は開幕からスタート後の最初のコーナーが鬼門だ。きれいに抜けられれば自分の走りができる。3連勝中のロズベルグは、それを見抜いて実行。後方でロシアの“魚雷”ダニール・クビアトが好スタートを切ったセバスチャン・ベッテルに追突。狭まる2コーナーで気がはやった。これはペナルティ対象になっても仕方ない。だが、その直後3コーナーでの二次追突はクビアトだけを責められないのではないか。明らかにベッテルがアクセルを緩めているのがオンボード画面でわかるからだ。しかしエマニュエル・ピロ審査委員は最初の追突を重んじてクビアトに罰を下す。
ロシアン・ルーレットで不運を引いたのはベッテル。他にもニコ・ヒュルケンベルグとリオ・ハリアントが、たった1000メートルで第4戦を終えることに。彼らだけでなくクビアトもダニエル・リカルドもピットインを強いられ、マーカス・エリクソン、セルジオ・ペレス、エステバン・グティエレスもハズレ……。