「プロ入り後に誰よりも成長した」 西山秀二氏が語る“新井貴浩”という男

ベースボール・タイムズ

26日のヤクルト戦で史上47人目の2000安打を達成した広島・新井 【写真は共同】

 広島の新井貴浩が26日の東京ヤクルト戦の第2打席でレフトへの二塁打を放ち、プロ18年目で史上47人目の通算2000安打を達成した。波乱万丈の野球人生、そして魅力あふれる“新井さん”の人物像を、広島時代の先輩である西山秀二氏に、愛情を裏返してもらいながら語ってもらった。

プロ入り後の猛練習で大きく成長

広島時代の先輩である西山さんに“新井さん”のエピソードを愛情たっぷりに語ってもらいました! 【花田裕次郎/ベースボールタイムズ】

――新井貴浩選手が駒沢大からドラフト6位で広島に入団したのが1999年。西山さんはプロ14年目でしたが、当時の新井選手に対する印象は覚えていますか?

 覚えてますよ。最初はほんまに「よくこんなんがプロ入って来れたなぁ」って思ったよ。当時ヘッドコーチだった大下(剛史)さんとか、野村(謙二郎)さんが大学の先輩やったし、コネもええとこやなぁって(笑)。確かに体はゴツかったし、力も強かった。でも、まったくバットに当たらんかったからね。本人がカープに行きたいって熱望してたみたいやし、「やっぱりコネやな」って。金本(知憲)ともよく「コネっていうもんは大事やな」、「噂では契約金を逆に球団に払ったらしい」、「人脈は金なり」なんて冗談を、一緒に言ってましたよ(笑)。

2005年は43本塁打で本塁打王のタイトルを獲得。ルーキー時代を振り返って、西山さんも「タイトルを獲る選手に見えなかった」とびっくり 【写真は共同】

――なるほど(笑)。それでも1年目から1軍で53試合に出場して7本塁打を放った。3年目の2001年にはレギュラーに定着して、05年には43本塁打を放ってタイトルを獲得しました。

 そうですね。でも最初はほんまに「こんなんが1軍で大丈夫か」っていう感じやったよ。当時の彼を見ると、その後に4番に座って、タイトルを獲るような選手になるなんて誰も思わんよ。ましてや2000本もヒットを打つなんてね。

――そこまで成長できた要因、理由はなんでしょうか?

 それはもう、猛練習の成果でしょうね。とにかく身体は丈夫やった。なんぼ練習させてもケガせえへんやろうなっていう身体の強さがあったので、コーチ陣からかなりしごかれていた。彼自体はイヤイヤやったかも知れんけど、その猛練習を耐え抜いたことが大きい。プロ入り後に誰よりも成長した。彼自身の技術的な進歩は、ホンマにすごいと思います。ここまで伸びた選手はめずらしいですよ。プロ野球の世界に入れるか入れないかというレベルの選手が、ホームラン王を獲るまでになった訳やからね。

頑張っている姿がアピール!?

「とにかく『僕は一生懸命やってますよ!』ってアピールしてるんですよ。ただ、それも含めて見てる方としてはおもしろい。要するに“愛すべきキャラ”なんよ」と西山さんは新井の一生懸命さを語る 【写真は共同】

――新井選手は身体が大きい分、特に守備面では粗さ、不器用さというものが垣間見えると思いますが?

 守備はまぁ、昔からひどかったよ(苦笑)。まだ2アウトやのにランナーコーチにボールを渡してホームインされたとか、ファウルフライを全速力で捕りに行ってフェンスによじ登ったのはいいけどボールがぜんぜん手前に落下したり…(笑)。新井さんの珍プレーは数え切れんぐらいあるよ。特に覚えてるのが、佐々岡(真司)が脱臼した試合やね(01年9月27日、巨人戦)。9回裏2アウトで佐々岡が頑張ってピッチャーゴロを捕って左肩を脱臼しながらも一塁に転がしたボールを、新井がポロってしたからね。普段からいじられるキャラではあったけど、あの時はみんな「お前、ほんまにええ加減にせえよ!」って怒ったよ。

――ただ、その中でも常に全力でプレーする姿が印象的ですが?

 いや、あの頑張ってる姿はアピールなんですよ(苦笑)。監督やコーチに文句言われるのが嫌やし、ファンに野次られるのも嫌やから、とにかく「僕は一生懸命やってますよ!」ってアピールしてるんですよ。ただ、それも含めて見てる方としてはおもしろい。要するに“愛すべきキャラ”なんよ。こういう選手はなかなかいないですよ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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