モーリス雷神最強タッグに世界は震える 日本・香港2大マイルGI完全制覇へ

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昨年のアジアマイル界はモーリス一色

チャンピオンズマイルに挑むモーリス、日本・香港2大マイルGI完全制覇なるか 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 昨年の年度代表馬・モーリスがいよいよ始動。今季の初戦は昨年末に世界を震撼させた香港マイルと同じ沙田競馬場が舞台となるチャンピオンズマイル(5月1日)だ。

 昨年のモーリスの戦績を簡単に振り返ってみると、4月にダービー卿CTで次元の違う末脚を見せつけ、その後の安田記念も快勝して初のG1制覇。秋には休養明けでマイルCSを制して春秋マイルG1のW制覇を達成し、年末には香港へ遠征。ここではマイルCSから体調が戻らず、苦戦を強いられるのではないかとまことしやかに囁(ささや)かれていたが、ふたを開けてみればR.ムーアの好騎乗も光って、香港の英雄と謳われるエイブルフレンド以下を完璧に撃破。瞬く間に世界のマイル王の座に就いた。とにかく昨年のアジア競馬のマイル界はモーリス一色と言っても過言ではないほどだった。

 そんなモーリスは、今季初戦としてチャンピオンズマイルの前週に行われるクイーンエリザベス2世Cに出走する可能性も示唆していたが、陣営は「久々の競馬なので、慣れているマイルから」とチャンピオンズマイルを選択。日本と香港、それぞれの2大マイルG1完全制覇を目指す運びとなった。

初コンビの鞍上モレイラは世界屈指の名手

 香港マイルはムーアが手綱を取ったことが大きなプラス要素となり、素晴らしい結果を残したのだが、今回の鞍上はムーアと同等かそれ以上と言われるジョッキー。香港のトップジョッキーで“雷神”の異名を持つJ.モレイラとのコンビが実現した。

 日本でのモレイラはムーアほど知名度が高くないものの、紛れもない世界屈指の名手。ブラジル生まれで、元々はサンパウロジョッキークラブに所属していたが2009年からシンガポールへ移籍。シンガポールで4年連続のリーディングジョッキーの座を獲得。1日で8鞍に騎乗して全勝する快挙も達成している。そして、2013年からは香港へ電撃移籍し、勝ち星を積み重ねてきた。昨夏は札幌で行われたワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)に参加。全4戦で2勝、2着1回という見事な成績で初代WASJ王者となった。代表的な騎乗馬はデザインズオンローム(香港C優勝)、エイブルフレンド(香港マイル優勝)などの強豪馬で、記憶に新しいところでは先のドバイミーティングで、ユウチェンジに騎乗してUAEダービー3着、ラストインパクトの手綱を取ってシーマクラシック3着と、日本馬を国際レースで上位に導いてきた。

 本来ならばエイブルフレンドとのコンビでチャンピオンズマイルへ出走する方向だったが、エイブルフレンドが右前脚の腱損傷で休養。エイブルフレンド陣営にとっては気の毒ではあるが、そのことによってモーリスとモレイラの最強タッグが実現した。

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