残り42km……100km走破へ勝負の後半戦! 「伊豆大島ウルトラランニング」レポート後編

三河賢文

【三河賢文】

 エイドでは「写真撮らせてください」と大歓迎!正直かなり疲れていたんですが、皆さんの元気を分けてもらったようで回復しました。

「どうして仮装なんですか!?」

 なんてお決まりな質問も頂き、仮装冥利に尽きます。あまりに楽しく会話も弾んでしまい、思った以上に滞在してしまいました。こうしたコミュニケーションも、ウルトラマラソンの楽しみですね。

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 そして、再びの筆島。空が晴れたからか、朝よりクッキリとして見えました。ここで急な下り坂は終わり。あとは緩やかなアップダウンを繰り返しながら、ゴールへと向かっていきます。

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 残り15kmほどの場所にある見晴台。ちょうど給水所の目の前なので、頂いた水を飲みながら撮影しました。小さな港ですが、なかなか雰囲気があります。

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 終盤は距離表示がカウントダウン式に。なんとなく看板にタッチしながら、「あと3km!」と自分を鼓舞してゴールを目指しました。

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 ラスト3kmの看板を過ぎた頃、ふと前を見ると、遠くに恐らくゴール付近と思われる町並みが見えました。目視できる距離、あと少しです!

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 そしてゴールのある元町へ入りラスト1km。一度は通過したゴール地点、きっと多くのスタッフや応援の方々が待ってくれているはず。どこからか、微かにアナウンスの声も聞こえてきます。長かった100kmの旅も、いよいよフィナーレです。

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 ついにゴール地点が見えました。直前で案内スタッフの方が旗を振ってくれています。ラストは下り坂、気持よくゴールのできるコースは有り難いですね。一歩、また一歩と進む毎にゴールの『元町港船客待合所』が近づいてきます。そして……

【三河賢文】

 ゴール! 今度は左側のゲートではなく、ちゃんとゴールゲートへ! ゴールテープ、そして笑顔の皆さんが迎え入れてくれました。楽しくも厳しいコース。しかし、だからこそ喜びが込み上げてきます。

【三河賢文】

 完走者だけが受け取れる完走メダルは、なんと“新島ガラス”で造られています。ずっしりと重く、透き通った美しいメダルです。仮装したままでも、ちゃんと首に掛けてもらえました。ありがとうございます!
 私事ですが、お陰さまで自己ベストを更新することができました。レース中は順位なんて分かりませんし、気にする余裕すらなかったんですが、なんと総合10位(男子9位)という結果も。これも起伏に富んだコース、そして美しい自然を楽しみながら走れたからこそでしょう。

地元の方々から受けた温かさ

【三河賢文】

 終始楽しく走ることのできた「伊豆大島ウルトラランニング」ですが、そこには地元の皆さまの温かな声がけや対応が欠かせませんでした。

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 コースは基本的に歩道走行。朝早くから警察の方も出てくださり、丁寧な看板と共にランナーを誘導してくれます。さらにコース上で何度かパトカーともすれ違ったのですが、なんとスピーカーから「頑張ってください」という応援の声も。これには驚きました。

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 ランナーだけでなく、地元の方々に対する配慮も忘れられていません。公道を使うからこそ、大会運営には理解と協力が不可欠。むしろ、私たちランナーこそ「ありがとう」と伝えなければいけませんね。

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 メッセージ入りの距離表示も、もちろん地元の方の手作り。何枚も配置された看板に1つ1つ手書きで……本当に感謝です。そしてこのメッセージには、何度も元気づけられました。

【三河賢文】

 そしてもちろん、給水所スタッフの皆さまも。遠くから手を振って下さったり、「お疲れさまー!」「何か飲みますかー!?」と声を掛けて下さったり。スタッフの皆さんが元気だからこそ、ゴールへ向けて走り続けられるのだと思います。

【三河賢文】

 レース翌日は、食堂で「べっこう丼」を頂きました。食堂内にはランナーもたくさんいらっしゃり、中には「昨日走ったんですか?」と声を掛けて下さる方も。こうした人々との交流が、またこの大会に出たいと思わせてくれます。
 アップダウンの多いコースは、決して楽ではありません。しかし美しい自然に囲まれた大島は、ぜひ一度走ってみて頂きたい場所だと感じます。「100kmは自信がない」という方なら、1周の58kmもオススメ。自らの脚で走るからこそ感じられる大島の魅力が、きっとたくさんあるはずです。

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著者プロフィール

中学生の頃から陸上競技を始め、大学では十種競技選手として活動。引退後、約7年のブランクを経て2011年6月よりランニングを開始。同年にハーフマラソン、フルマラソン、翌年には100kmのウルトラマラソンやトライアスロン(オリンピック・ディスタンス)も完走。沖縄本島1周マラソンなどを始め、今では“超長距離”レースにも数多く出場している。また“トウモロコシ”や“アザラシ帽子“をトレードマークに、仮装マラソンも楽しむ。ランニングブログも不定期更新中。趣味と過去の経験を活かし、現在は東京都葛飾区内にある中学校の陸上部にて、外部コーチとして指導も行っている

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