【ボクシング】引退パッキャオの後継スターの次戦に注目

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ミドル級最強王者ゴロフキンに熱い視線

パッキャオ引退後のスター候補最有力に挙げられるミドル級最強王者ゴロフキン 【(C)NAOKI FUKUDA】

 21世紀に入ってから世界のボクシングシーンを牽引してきたスーパースター、6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(37=フィリピン)が9日のティモシー・ブラッドリー(32=米国)戦を最後にリングに別れを告げた。これを機にボクシング界は新しい時代を迎えることになった。

 まだ現時点ではパッキャオの域には達していないが、後継者と目されるスター選手は少なくない。なかでもミドル級王者のWBAスーパー王座、WBC暫定王座、IBF王座を持つゲンナディ・ゴロフキン(34=カザフスタン/米国)と、同じミドル級のWBC王者、サウル・カネロ・アルバレス(25=メキシコ)に対する期待は大きいものがある。

 中央アジアのカザフスタン出身のゴロフキンは、04年アテネ五輪で銀メダルを獲得するなどアマチュアで350戦345勝5敗(別説もある)を収めたあと、06年にプロ転向。4年後の10年にWBA暫定世界ミドル級王座を獲得し、初防衛戦を前に正王者に昇格した。
 以後、6年間にパナマ、ドイツ、ウクライナ、アメリカ、モナコと場所を選ばずリングに上がり、15人の挑戦者をすべてKOで蹴散らしてきた。「15連続KO防衛」は130年におよぶ近代ボクシング史上2位の記録だ。この間、ゴロフキンはWBCの暫定王座とIBF王座も獲得し、ミドル級の主となっている。

パッキャオと重なるキャリア

 ゴロフキンは身長179センチ、リーチ178センチとミドル級(約72.6キロ以下)では決して大きくはないが、とにかくパンチ力が半端ではない。プロ転向後の戦績は34戦全勝(31KO)、目下21連続KO勝ちと手のつけられない強さを見せつけている。
 踏み込んで放った右で相手をロープ外に吹っ飛ばしたこともあれば、カウンターの右で倒したこともある。左のボディブローで痛烈なダウンを奪ったり、相手の前頭部に叩きつけた左フックの一撃で戦闘不能に追いやったりと、パンチはずば抜けて強いうえに多彩だ。
 加えて「気づいたらコーナーに追い込まれていた」(3回TKO負けを喫した淵上誠)というように、テクニックも一流で戦術にも長けているのである。アマ、プロ通じて一度もダウンの経験がないというタフネスも持ち合わせている。さらにアメリカで一緒にトレーニングした経験を持つ村田諒太(帝拳)が「真面目で向上心があり、人間的にもリスペクトできる人物」と評するように、リング外でも尊敬を集めている。

 試合はエキサイティングでスリリング、加えてマスクもいいとくれば注目度が上がらないはずがない。4年前にアメリカ進出を果たしてからはテレビ局とも契約し、常に上々の視聴数を弾き出している。フィリピンからアメリカに主戦場を移して成功を収めたパッキャオと重なる部分もある。

9月にWBC王者アルバレスと直接対決

 そのゴロフキンの次戦が23日(日本時間24日)、米国カリフォルニア州イングルウッドのフォーラムで行われる。挑戦者はIBF3位にランクされるドミニク・ウェイド(26=米国)。7年のプロキャリアで18戦全勝(12KO)の戦績を残している期待の若手だ。「ゴロフキンは経験は十分にあると思うが、それ以外は普通の選手。恐れることはない」と自信をみせている。

 9月に直接対決が期待される同じミドル級のWBC王者アルバレスが5月7日(日本時間8日)に防衛戦を予定しているだけに、ゴロフキンはその前に圧倒的な勝利で存在感を示し、ライバル王者にプレッシャーをかけておきたいところだ。23日(日本時間24日)のゴロフキン対ウェイドに要注目だ。

Written by ボクシングライター原功

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<3団体統一世界ミドル級タイトルマッチ>
ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン/3団体統一世界ミドル級チャンピオン)
ドミニク・ウェイド(米国/IBF世界ミドル級3位)

<WBC世界フライ級タイトルマッチ>
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア/3階級制覇王者)
マクウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ/WBC世界フライ級10位)

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<WBC世界ミドル級タイトルマッチ>
サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ/2階級制覇王者)
アミール・カーン(イギリス/元WBA・IBF世界S・ライト級チャンピオン)
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