プロ野球界の“春男”はコイツだ! 新助っ人のタイトル獲得の可能性は!?

ベースボール・タイムズ
 例年、春に強い男たちがいる。今季で言えば、4月25日時点で3割4分以上の高打率をマークしている、ビシエド(中日)、菊池涼介(広島)、メヒア(埼玉西武)、エルドレッド(広島)らが、それにあたる。彼らのこの活躍は、果たして“ホンモノ”なのか。過去3年間の「3・4月打率」を振り返りながら、球界の“春男”を可視化し、今年の春、そして夏以降の注目点を提示したい。

過去3年間の春絶好調男は?

【ベースボール・タイムズ】

 誰が“春男”なのか。その答えを導き出すために、まずは過去3年間(2013〜15年)の3・4月の月間打率の通算成績を洗い出した。

 トップは、今季から広島でプレーする前中日のルナだ。来日1年目の13年に開幕直後から安打を量産し、3・4月に月間打率3割9分8厘をマーク。その後も、翌14年が打率3割3分6厘、15年も打率3割2分9厘の好スタートを切っている。それだけに今季の故障離脱は悔やまれるが、紛れもない“春男”だ。

 2位以下を見ても、カタカナ名が上位を賑わし、上位5人中4人を外国人選手が占めた。14年に来日したアンダーソン(巨人)は、最初の3・4月でいきなり打率3割7分8厘を記録。エルドレッド(広島)は14年の3・4月に打率3割7分3厘を記録した。ゴメス(阪神)も14年、15年とともに打率3割超えと春先に強さを見せている。

 日本人トップは、内川聖一(福岡ソフトバンク)だ。今季のここまでの活躍(4月25日時点で打率3割2分9厘)を見ても納得のランクインと言える。その一方で、梶谷隆幸(横浜DeNA)が2月のキャンプ中にわき腹を痛めて1軍復帰は5月の予定。藤田一也(東北楽天)も肋骨骨折で4月5日に登録抹消となっている。“稼ぎ時”での離脱は、個人にとってもチームにとっても想像以上に痛いと言える。

 その他、糸井嘉男(オリックス)は今春も好スタート。川端慎吾(東京ヤクルト)、柳田悠岐(ソフトバンク)の2人は、3・4月打率よりも通算打率の方が上であるため、純粋な“春男”ではない。

“春男”の夏以降の成績は?

【ベースボール・タイムズ】

 それでは“春男”たちの、5月以降の成績はどうなっているのだろうか。前項と同じくして過去3年間を対象に、上位3人の打率を月別に算出してみた。

 すると、ルナは5月をピークにして、月を追うごとに打率が下降。故障離脱した13年の影響も大きいが、開幕2カ月の打率3割5分以上をマークして以降は右肩下がりで、最後の9・10月は打率2割2分1厘まで低下している。アンダーソンは、ルナ以上に好不調の波が激しく、6月の通算打率は1割4分1厘となっている。

 この2人以外の“春男”たちも、軒並み成績が下降する傾向がある。エルドレッドは7月が打率2割3分4厘で、8月は打率1割1分6厘と夏場が鬼門。ゴメスは5月に通算打率2割2分0厘と調子を崩す傾向にあり、7月に打率3割1分6厘と盛り返すが、過去2年ともに尻すぼみの感はぬぐえない。

 その中で内川は、5月打率3割2分0厘、6月打率3割4分1厘と好調をキープ。夏場以降は打率3割を切っているが、なんとか2割7分台以上に踏みとどまっており、その分、シーズン通算でも高打率を残すことができている。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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