九産大の絶対的エース・高良にプロも注目 「今年は全国4強とプロ入りを目指す」

高木遊

ソフトバンク2軍相手に5回完全投球

九州ナンバーワン右腕として評価を上げている九産大・高良 【写真=高木遊】

 3月16日に行われた福岡ソフトバンク2軍とのプロ・アマ交流戦で、九州産業大のドラフト候補右腕・高良一輝が圧巻の投球を見せた。テークバックがコンパクトなフォームから、キレの良いストレートやタテに割れるスライダーを駆使し、5回打者15人をパーフェクトに抑えてみせ、三振も7個奪った。

 この試合を視察していたソフトバンク・福山龍太郎スカウトは「その日の最速は143キロくらいでしたが、1軍経験のある選手も振り遅れていました。球持ちが良くて、出所が見えづらくて角度があります。タテのスライダーが良いですし、制球力が高いですね」と評価した。

 また、過去3年6季の福岡六大学リーグでの通算成績は16勝1敗と圧巻の成績を残し、全国大会にも3度出場。昨春に浜田智博(中日)からエースの座を引き継ぐと3試合連続完封勝利を挙げるなど防御率0.31の好投でチームをリーグ優勝に導いた。その後の全日本大学野球選手権でも1回戦の仙台大戦で三振16個を奪い完封勝利を挙げるなど全国8強の原動力となった有望株だ。

興南高3年夏は県2回戦で敗退

制球のいい140キロを超えるストレートとタテに割れるスライダーが武器。スライダーは、「ヤクルト小川泰弘投手のカットボールの握りを参考に投げていたら、大きく曲がるスライダーとなりました」と本人が明かしてくれた(写真は高良のスライダーの握り) 【写真=高木遊】

 今や絶対的エースの高良だが、九州産業大を率いる大久保哲也監督は「彼の高校時代は知らなかったんです。正直なところ、他の投手の方が期待していました」と苦笑いしながら明かした。

 これまでプロに進んだ榎下陽大(北海道日本ハム)や浜田、社会人球界屈指の技巧派右腕・佐伯尚治(西濃運輸/2005年秋、大学4年時に日本一)を育成してきた同監督だが、高良は当初スカウティングリストには入っておらず、興南高から指定校推薦で入学してきた投手だった。

 高校1年夏こそ背番号「18」を背負い、島袋洋奨(ソフトバンク)らとともに日本一を経験(高良は未出場)。3年春は背番号1で県大会準優勝も、3年夏は県大会2回戦・浦添商高戦で敗れた。この試合、1学年下の花城凪都(中央大)に先発の座を奪われた高良はマウンドに上がることなく、高校野球生活を終えた。

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著者プロフィール

1988年、東京都生まれ。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。関東を中心に全国各地の大学野球を精力的に取材。中学、高校、社会人などアマチュア野球全般やラグビーなども取材領域とする。

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