皐月賞を最強データツールで徹底分析! 『いち押し馬』と『割り引きたい馬』
過去のレース上がり5Fタイムがカギを握る!(出川塁)
昨年は該当馬2頭のみで、そのドゥラメンテとリアルスティールが1、2着。一昨年の14年も該当馬2頭のみで、イスラボニータとトゥザワールドが1、2着。13年に至っては、該当馬3頭でロゴタイプ、エピファネイア、コディーノと1〜3着を独占。さらに、該当馬4頭の12年も、そのうち3頭のゴールドシップ、ワールドエース、ディープブリランテで1〜3着。東京開催となった11年は飛ばして、10年も該当馬4頭のうちヴィクトワールピサとヒルノダムールがワンツーを決めている。
なぜ、この実績を持つ馬が抜群なのか。考えられるのは皐月賞の特性で、小回りで直線が短い中山で行なわれるため淀みないペースになりやすく、いい脚を長く使う能力を求められるレースといわれている。だとすれば、上がり5Fが59秒9以下とレース後半が引き締まった流れになった重賞やオープン特別での好走実績が活きてくるのも納得できる。
逆に、この条件を満たせなかった場合はどうか。過去5回の皐月賞(東京開催の11年は除く)で「1〜3番人気→4着以下」の馬は5頭いるのだが、そのうち4頭(アリゼオ、グランデッツァ、トーセンスターダム、サトノクラウン)は前述した「上がり5F〜」の実績を持っていなかった。つまり、レース後半が引き締まった流れへの対応力不足を露呈したと見てもいいのではないか。
この観点から今年の皐月賞登録馬22頭をチェックする。「レース上がり5Fが59秒9秒以下だった芝1800〜2000m戦で、重賞なら1、2番人気で2着以内、オープン特別なら1、2番人気で1着の実績」を持つのは、ホープフルS(レース上がり5F59秒7)1番人気2着のロードクエスト、若駒S(同59秒0)1番人気1着のマカヒキ、きさらぎ賞(同59秒4)1番人気1着のサトノダイヤモンド。空前のハイレベルといわれる今年だが、該当するのは3頭しかいなかった。なかでも、1着かつ上がり5Fタイムが最も速いマカヒキを最上位にとりたい。一方、「三強」と目されるなかで唯一、この条件を満たせなかったリオンディーズは割引が必要かもしれない。
イチ押し馬:マカヒキ
割り引きたい馬:リオンディーズ