皐月賞を最強データツールで徹底分析! 『いち押し馬』と『割り引きたい馬』
競馬ライター5人がデータで徹底分析
そこで競馬ライター5人が、データ競馬のための最強ツール「JRA-VAN DataLab.」と「TARGET frontier JV」を駆使して過去の皐月賞を徹底分析。データから導き出された今年の皐月賞の『いち押し馬』と『割り引きたい馬』、その理由を挙げてもらった。
【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前哨戦のタイム的価値を考える(市丸博司)
では、今年行われたこれらのレースごとに、その価値を見てみよう。まず近年優勝馬の多いスプリングS。ペース自体は平均的に流れたが、前残りの馬場で1番人気のロードクエストが追い込みきれず、3着に敗れた。タイムはごく平均的。レベルの高いレースとは言えなかった。次に共同通信杯。こちらも平均的なペースで流れ、勝ったディーマジェスティの勝ちタイムは、馬場差や競馬場の形状差を考えるとスプリングSとほぼ同等といえる。
毎日杯はかなりのスローで流れたが、上がりは極限のタイムを使っており、勝ったスマートオーディンの勝ちタイムは優秀なものと言える。ただし、勝ち馬は皐月賞に出走しない。残念ながら、2着以下のタイムは平均的なものである。そして、若葉S。勝ちタイムは平凡に見えるが、実は800m通過まで極端なスロー。そこから残り1200mのロングスパートの競馬になっている。3着以下を8馬身千切っているのでわかるように、かなりスタミナのいる競馬。このレースで1、2着した2頭は、皐月賞がスタミナのいる競馬になれば有望だろう。
そして、これら4レースを時計的にしのぐのが弥生賞、きさらぎ賞だ。弥生賞は800m通過こそ速かったが、そこから緩み、一気に800mの間スローダウン。実質残り400mの競馬になりながら、驚異的な瞬発力で上位3頭が後続を離してしまった。1、2着のマカヒキ、リオンディーズ、そしてやや離されたがエアスピネルまでかなり優秀なタイムである。最後に、きさらぎ賞。ややスローで流れたが、勝ち馬サトノダイヤモンドの末脚は驚異的なもの。一瞬にして後続を引き離し、最後は流してゴールインした。間違いなく、今年の皐月賞前哨戦の双璧は、きさらぎ賞と弥生賞である。
いち押し馬:サトノダイヤモンド
割り引きたい馬:エアスピネル