ハミルトンが余裕の表情を見せる理由 ロズベルグに連勝許すも「まだ2勝だけ」
スタート直後の接触でダメージを負いながら、3位まで挽回したルイス・ハミルトン 【XPB Images】
スタートで出遅れ、さらに接触も
ボッタスにはレースエンジニアのジョナサン・エドルスが確認の無線を入れた。
「クリティカルなメッセージだ。我々もアクシデントは確認した。君から見てクルマの状況はどうだ?」
「何も問題ない。いまのところ問題はないけど、フロントウイングの状況は映像でチェックしてくれ」
ボッタスはそう報告したが、フロントウイングの左翼端板は大きく損傷し、さらにはドライブスルーペナルティを科されてしまった。「ハイライトは1コーナーまでの200メートルだけ。そこで僕のレースは、すべて終わってしまった」とボッタスは悔しがった。
また、ハミルトンの不運もポジションを失ったことだけではなかった。
「リヤの何かがおかしい感じがする!」
ハミルトンが無線で訴えたとおり、サイドのポッドフィンは砕け散り、フロアにも大きなダメージを負っていた。
大きなダメージを受け戦略変更
そのダメージはハミルトンのレース戦略にも影響を及ぼした。13周目、首位ニコ・ロズベルグ(メルセデス)が前の周にタイヤを換えた2番手のキミ・ライコネン(フェラーリ)と同じソフトタイヤを履いたのに対して、ロズベルグに続いてピットインしたハミルトンはミディアムタイヤを選ばざるを得なかった。
「ダメージのせいでダウンフォースを失っていたから、キミと同じタイヤを履いてもギャップを縮めて攻略することは難しいと判断したんだ。だから異なる戦略で戦うことを決断した」とウォルフは説明する。