- F1速報
- 2016年4月8日(金) 07:30

2016年F1第2戦バーレーンGPでは、またしてもスタート直後に“事件”が起きた。自身51回目のポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)が開幕戦に続いて出遅れ、接触事故の当事者となってしまったのだ。波乱のレースを無線交信の言葉を手がかりに、振り返る。
スタートで出遅れ、さらに接触も
スタート加速で出遅れたポールシッターのハミルトンには、さらに過酷な運命が待っていた。スタート直後の1コーナーでインに飛び込んできたバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)と接触し、半ばスピン状態に追い込まれ、1周目を終えた時点で7番手までポジションを落としてしまったのだ。
ボッタスにはレースエンジニアのジョナサン・エドルスが確認の無線を入れた。
「クリティカルなメッセージだ。我々もアクシデントは確認した。君から見てクルマの状況はどうだ?」
「何も問題ない。いまのところ問題はないけど、フロントウイングの状況は映像でチェックしてくれ」
ボッタスはそう報告したが、フロントウイングの左翼端板は大きく損傷し、さらにはドライブスルーペナルティを科されてしまった。「ハイライトは1コーナーまでの200メートルだけ。そこで僕のレースは、すべて終わってしまった」とボッタスは悔しがった。
また、ハミルトンの不運もポジションを失ったことだけではなかった。
「リヤの何かがおかしい感じがする!」
ハミルトンが無線で訴えたとおり、サイドのポッドフィンは砕け散り、フロアにも大きなダメージを負っていた。
大きなダメージを受け戦略変更
メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ウォルフによれば「空力性能にして何ポイントかは教えられないが、フロアのエッジに、かなり大きなダメージを負っていた」。ハミルトン自身も「ラップタイムにして0.8〜1.5秒くらいのロスだったはず」と言う。
そのダメージはハミルトンのレース戦略にも影響を及ぼした。13周目、首位ニコ・ロズベルグ(メルセデス)が前の周にタイヤを換えた2番手のキミ・ライコネン(フェラーリ)と同じソフトタイヤを履いたのに対して、ロズベルグに続いてピットインしたハミルトンはミディアムタイヤを選ばざるを得なかった。
「ダメージのせいでダウンフォースを失っていたから、キミと同じタイヤを履いてもギャップを縮めて攻略することは難しいと判断したんだ。だから異なる戦略で戦うことを決断した」とウォルフは説明する。