松本、五輪連覇は挑戦「開き直った」 柔道代表が全階級“金”へ意気込み

スポーツナビ

田知本「自分が一番強いと証明したい」

「子供たちのためにも、しっかりとメダルを」と決意を語った田知本 【スポーツナビ】

女子70キロ級:田知本遥(ALSOK)2回目

「ロンドン五輪の経験を必ず生かして、五輪チャンピオンになって帰って来られるように頑張る。(最終選考会で優勝するまで)今までにない気持ちで1カ月、どうやって過ごしてきたのかもよく分からない日々を過ごした。決勝戦で(代表争いをしていた)新井千鶴選手と正々堂々と戦って、決着をつけたいと思っていた。実際にそうなったときは、嬉しかった。ちゃんと戦って白黒つけたかったし、自分の力を全部出して戦えた。

 ロンドン五輪の後は(試合前に市販の風邪薬を使用してしまい、ドーピングを避けるために国外試合を欠場するなど)いろいろなことがあり、五輪と口に出せない時期もあった。今、ここにたどり着けて、今までのことはリオ五輪のためにあったのだと実感している。リオで結果を残したいし、自分が一番強いんだということを五輪の舞台で証明したい。

 五輪で印象に残っているのは、母校の東海大学の先輩で、女子(代表)のコーチの塚田真希先生の北京五輪の決勝戦で、(中国の)トウ文選手を相手に優勢の状態だったのにそれでも攻めにいって、かつがれて(背負い投げによる1本で)負けてしまったシーン。負けて銀メダルだったけど、最後まで攻め続ける姿勢が、金メダルじゃないけど、金メダルのように見えた。そのときから、金メダルって何なのだろうと意識するようになった。

 高校まで地元の富山県で育ち、たくさんの人に支えてもらって力をもらっている。特に、保育園の子どもたちには力をもらっている。ロンドン五輪が終わってから訪問した時に『ずっと、ずっと応援しているよ』という大きな似顔絵をもらって、それを4年間ずっと部屋に飾って、いつも力をもらってきた。その子供たちのためにも、しっかりとメダルを持って帰りたい」

梅木「最高の形で恩返しを」

女子78キロ級:梅木真美(環太平洋大)初出場

「金メダルを取れるように自分の力をしっかり発揮したい。最終選考会で負けてしまい、発表されるまでは不安もあったけど、連絡を受けてからは、やるしかないと気持ちを切り替えた。技術面も精神面も課題はたくさんあるけど、期間は限られているので、一つひとつしっかりと取り組んで五輪に備えていきたい。

 4年間、リオ五輪に出たいという気持ちで必死に頑張ってきた。リオでは、自分から前に出てどん欲に勝ちにいく柔道をしたい。ここまで来られたのも、地元をはじめとする多くの方々の応援があったから。五輪で勝って最高の形で恩返しをしたい」

井上監督「五輪で戦う覚悟を持ってほしい」

「全階級で金メダル」を目指す覚悟を選手に訴えた井上監督 【スポーツナビ】

井上康生・男子監督

「昨日までは(代表選手の選考をしなければならず)複雑な思いだったが、今日、代表選手たちの顔を見て、あらためて五輪で戦う覚悟がついたと思っている。選手には、2つのことをお願いした。1つは、覚悟を決めること。代表である自覚と誇りを持った上で、すべての思いを持って五輪で戦う覚悟を持ってほしい。もう1つは、今回の記者会見でも豪語しろと言った。われわれは、全階級で金メダルを取るんだという、金メダル目指すんだという、勝利至上主義ではなく、みんながその思いを持っている。その強い思いがあるからこそ、究極の世界で戦っていき、目標を達成できると伝えた。伝えたときに、選手の顔が引き締まったように思った。このチームで一丸となって(リオ五輪の)8月5日の開会式、6日から始まる柔道の大会でも最高のパフォーマンスができるように準備をしていきたい。

 これまでの五輪の歴史を振り返ると、初日に結果を出したときに勢い付いているのは、間違いない。男子においても高藤が切り込み隊長として進んでいくことになるが、全体のことはわれわれ(スタッフ)は考えておかなければいけないが、彼本人や選手は、これから五輪までの過程を悔いのない形に持っていき、試合では、いろいろな方たちの思いや、代表から漏れた選手たちの思いを胸に、そして自分自身で勝ち取った代表権なので、自分自身の目標を達成するために全力で戦ってほしい。その結果が、みんなに力を与えて、後に続くのではないかと私は思っている。

 前回大会は、コーチとして選手とともに戦ったが、さまざまな敗因があった。コンディショニング、技術、フィジカルの問題があったから、あってはならない(男子の)金メダルゼロという結果に終わってしまったのだと思っている。それも踏まえて、全日本チーム、所属先のチーム、そして選手自身の考えをしっかりと調整したい。何が最善かという考えでスケジュールを組みたいが、国外で試合に臨む選手もいれば、国内合宿のみで調整することになる選手もいると思うので、具体的には個々の対応になると思う」

南條監督、金メダルへ「全力でサポートする」

南條充寿・女子監督

「選手の話にも、井上監督の話にもあったように、われわれは、金メダルを取りにいく集団。そのための準備として、あと4カ月で何ができるか。自分たちで整理し直して、取り組んでほしい。最後には(不安が一つもなく)笑顔で『いってきます』という状態を作って畳に上がってもらいたいし、そうなるようにわれわれも全力でサポートしたい。

 試合の日に最高のパフォーマンスを発揮することが求められる。そのためには(昨年亡くなった)斉藤仁・前強化委員長が常におっしゃっていた、選手、所属、全日本が一つになった『三位一体』が大事。そのようなスケジュールをすでに個々に取っている。女子は48キロ級の近藤亜美選手が(一番手として戦う)自覚を持っているようなので、信じて、精いっぱいに最高の準備をして臨んでもらってチームに勢いを付けてもらいたいと思う」

山下強化委員長「リオに向けて万全の準備を」

山下泰裕強化委員長

「まだ男女の重量級の代表が決まっていないが、代表に内定した12名の選手を前にして、いよいよこれからがスタートだ、これから本当の戦いが始まるという気持ちを持っている。どんな状況であろうと、最悪のコンディションであろうと、与えられた場で最高のパフォーマンスを発揮できるように、男女両監督やコーチ、所属(チーム)の先生、さまざまな方々の力を一つにして、リオに向けて万全の準備をしていきたい」

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