松本、五輪連覇は挑戦「開き直った」 柔道代表が全階級“金”へ意気込み

スポーツナビ

近藤、初日金メダルへ「勢いのある柔道する」

高藤(右)とともに五輪初日に登場する近藤(左)はチームとして勢いのつく結果を出すことを誓った 【スポーツナビ】

女子48キロ級:近藤亜美(三井住友海上)初出場

「伝統ある48キロ級で五輪に挑戦できることを誇りに思う。(五輪出場に関しては)崖っぷちの状態で(最終選考会である)選抜体重別選手権を優勝することしか、出場の道はないと思っていた。相当な気持ちで臨んだつもり。(代表の座をずっと争ってきたライバルの)浅見(八瑠奈)さんに対しては、自分を高めてくれた良いライバルだったと思っている。

 リオでは、自分らしい勢いのある柔道をして金メダルを目指す。この4年間は、勝ったり負けたりと浮き沈みがあった。だからこそ成長できたこともあり、貴重な4年だった。(代表メンバーで)最年少なので、勢いがあって元気の良い、畳の上で跳ねるような柔道をしたい。

 私は大石道場の出身で(OGである)谷本歩美選手が北京五輪の決勝で(リュシ・)ドコス選手を内股で投げたシーンが、五輪では一番印象に残っている。大石道場からは、7大会連続で出身選手が五輪に出場することになるので、次は自分が金メダルを取って、道場の子どもたちに見せられたら良いと思う。谷本選手が道場に持って来て触らせてくれた金メダルがすごく輝いて見えたので、私もそこに立ちたいと思った。

 試合が初日なので、金メダルを取って後ろ(の日程になる重い階級の選手)に回したい」

3大会連続出場の中村「3度目の正直で金」

女子52キロ級:中村美里(三井住友海上)3回目

「3度目の出場になるので、3度目の正直で金メダルを取って来たい。この4年間は、手術やリハビリなどたくさんの経験をして、すごく成長できた。試合では、自分らしくしぶとく粘りっこい柔道をしたい。五輪で印象に残っている試合はいくつもあるけど、何度見ても鳥肌が立つのは、横澤由貴先輩が残り1秒で逆転した(アテネ五輪の準決勝の)試合。地元である八王子も含め、たくさんの人のおかげで柔道ができているので、感謝して試合に臨みたい」

松本「プレッシャーを抱えること諦めた」

会見中も笑いを起こすなど終始明るい表情だった松本 【スポーツナビ】

女子57キロ級:松本薫(ベネシード)2回目
「昨日の最終選考会では、審判に抗議をしてしまったけど、申し訳ないと思っている(※注)。私の勘違い。観客席からの声を審判の声と勘違いして、力を緩めてしまった。試合後は頭に血が上って、私は間違っていないと言ってしまったが、1日経って自分の間違いに気が付いた。最後まで集中し切れなかった私の反省点。リオではなくて、今回で良かったと、今は前向きに捉えている。あらためて、こういう間違いをしないように気を引き締めないといけないと思った。

 リオでは、2連覇を目指して頑張る。この4年間は、本当に長かった。いろんな葛藤があって、やっとスタート地点に立てたという思いだけど、今はこの4年間で成長できたことを嬉しく思っている。(メンバーの中で最年長になり)立場は前回と全然違う。今回は、個性があって芯のあるメンバーがそろったと思う。このメンバーでリオに行けることを嬉しく思うし、みんな金メダルを狙える、ベストなメンバーだと信じている。

 試合では(4年前に報道で表現されたような)野獣ではなく、知性を持った野獣で戦いたい。連覇にかかるプレッシャーを抱えることは、もう諦めた。もともと抱えることができないもの。自分らしく、プレッシャーを抱えるというよりも、連覇に挑戦する気持ちになった。開き直って、清々しい気持ちで戦おうと思っている。

 私は5人兄弟の7人家族で育ち、兄弟が多いために家が貧乏だった。両親が地元の石川県から出たことがなかったので、私が海外に連れて行くと約束したのがきっかけで、五輪、金メダルを目指すことになった。出身地である金沢は、すごく良いところ。良い空気、良い温泉、良い食べ物があるところで育ってきた。それに、会社の方や仲間など多くの人に支えてもらって、今こうしていられる。その気持ちを精いっぱい背負って、頑張っていきたい。

 五輪で印象に残っているのは……私は柔道を見ていなかったので、競泳の北村……北島康介選手が(アテネ五輪で)優勝して「超、気持ちいい」と言った場面(笑)」

※試合中に主審から「待て」がかかったと勘違いして脱力したところで、抑え込まれて1本負けを喫した。

田代「勝って恩返ししたい」

女子63キロ級:田代未来(コマツ)初出場

「五輪では、金メダルを取ることだけを考えて頑張る。4年前までは、自分が五輪で優勝するということは(自信を持って)言えなかったけど、さまざまな経験をさせてもらうことで、五輪で優勝したいという思いが強くなった。試合では、ノビノビと思い切った柔道をしたい。両親、先生方、支えてくれる仲間、会社の方々、出身地の八王子で応援して下さる方に、勝って恩返しをしたい」

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