早実・清宮、2年目初戦は特大弾のご挨拶 つなぎの打撃も披露して4番の責任十分

清水岳志

春は背番号「8」で登録

2年目の公式戦初戦となった春の都大会1回戦・町田高戦で、いきなり特大弾を放った早稲田実・清宮 【写真は共同】

「それって、外野手ということですよね」

 そんな会話を新聞記者と交わしたのが2月の終わり、春の都大会の組み合わせがあった時だった。早稲田実業2年・清宮幸太郎が背番号「8」で登録されているという発表があって驚いたからだ。

 2015年の暮れ、千葉県で行われていた合宿でサード、セカンドへのコンバートを試しているという報道があった。去年の秋の都大会では和泉実監督が「チームや本人のことを考えて、いろいろ試したい」とコンバートも考えているコメントを残していて、サード辺りの変更は予想していたが、まさかセンターだとは……。清宮幸太郎という16歳は打撃はもちろんのこと、どこでも守ってしまうのか。いったい、どんな可能性を秘めているのだろう。

2度の守備機会も冷静に処理

 4月2日、花冷えの神宮第二球場。春季東京都大会1回戦の町田高戦に「4番・センター」としてラインアップされた清宮。この試合が、公式戦での外野手デビューとなった。

「体は大きいけどボディーバランスはいいし、足も速い。肩も悪くない」と和泉監督はコンバート理由を解説した。

 守備機会は2度あった。4回はセカンドに走者を置いてセンター前にライナーの打球。難しいハーフバウンドになってレフト方向にはじいたが、自分で拾って返球。本塁を狙った走者をアウトにした。あわてず試合慣れした冷静さがあった。

 5回は4番打者・野口大護のセンター頭上へのライナー性の飛球。ボールを右と左と半身に見ながら下がったが、上を越されて二塁打に。「まだ、球場の距離感がつかめていない感じでしたね」と清宮。

 和泉監督は「本当は慣れているし、ファーストがいいだろうけど、5番で期待している(ファーストの)工藤航輔とかぶる。だったら清宮を外野で使ってみようかと。ただ、今はいろいろ試している段階」。リーダー的な資質もある清宮が声を出して、センターから全体を見渡す布陣も悪くないと思える。

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著者プロフィール

1963年、長野県生まれ。ベースボール・マガジン社を退社後、週刊誌の記者を経てフリーに。「ホームラン」「読む野球」などに寄稿。野球を中心にスポーツの取材に携わる。

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