阪神・北條、ショートのレギュラー奪取へ 期待の若トラが決意を語る
「鳥谷さんはホント、バケモノです」
久慈守備・走塁コーチとマンツーマンで鍛え上げた 【写真=BBM】
北條 守備の面でも「うまくなってきた」と言われることが多くなったのも事実です。ただやはり、鳥谷さんの守備を見ていると安定感がまったく違うんです。去年のキャンプでは、ただただイレギュラーの反応がすごいなあ、などの感覚でしか見ていなかったんです。でも今年は、鳥谷さんの守備をより注意深く見ることで、なぜそういう反応ができるのかも理解できるようになりましたね。
僕の場合には、捕球する直前に打球とのタイミングが合っていると思うと、その瞬間から気軽にプレーしてしまうんです。鳥谷さんは同じような打球に対し、いつイレギュラーしても対処できるように慎重に、慎重に捕球体勢に入っているんですね。それに、体力もスゴイ。僕と一回り近く違う年齢(6月で35歳)なのに……こっちがめちゃくちゃ汗をかきながら練習をしているときに、まったく汗をかいていないんです。ホント、バケモノです(笑)。その鳥谷さんの守備を観察しながら打球への出だし(一歩目)の入り方、速さを意識するようになりました。
そのほかに鳥谷さんのプレーでマネすべき点は、どんな打球でも捕球体勢がまったく変わらない体の強さ、下半身の強さですね。そこがしっかりしていると、送球も強く安定したボールが投げられるんです。理想とする型が、そこにあるということは非常に大きいですよね。
「1年間1軍の戦力として」
そして、ショートを守っている以上は、鳥谷さんからレギュラーを奪い取るという気持ちで取り組んでいます。一方で今後、三塁や二塁を守れと言われても、それは試合に出るチャンスなので、しっかり守りたい。そうでないとショートのレギュラーも争えないと思っています。
まだまだ1軍の戦力になれていない部分が多くあります。試合に出たらしっかり結果を残し「(試合で起用すれば)何かをやってくれる選手だ」と首脳陣に思わせたい。そのためには試合中、常に落ち着かないといけません。緊張して「空回り」したら、バッティングも守備もいい結果が残りません。「冷静な中で一瞬にかける」仕事をすることが今の僕には重要なことだと思っています。
<取材・構成=椎屋博幸(BBM)>