阪神・北條、ショートのレギュラー奪取へ 期待の若トラが決意を語る

週刊ベースボールONLINE

今季に向けた決意を語った北條 【写真=早浪章弘】

 レギュラー奪取へ金本知憲監督が今年のオープン戦のMVPと称賛した北條史也。「ポスト鳥谷」の一番手と期待されながら、昨年までのプロ3年間で1度しか1軍の打席に立てていない。今年こそ飛躍を目指し、1軍キャンプには意識の「超変革」で乗り込んだ。そこで多くのことを発見し、追求したことで、実戦で結果を出した。今年の目標「1軍の戦力になる」ため、いやそれ以上を目指す戦いは続いている。

今年はチャンスをつかむ

 昨年に続き自身2度目の1軍キャンプを完走した。今回のキャンプが始まる直前、もう一度昨年のことを思い返した。昨年はただただ緊張しながら1日を過ごす繰り返しで、どこかお客さん的な感覚もあったという。しかし今年は、「今のままではダメだ。レギュラーをつかむ」という強い気持ちでキャンプ地の沖縄・宜野座に乗り込んだ。

北條 今年こそ本気でレギュラーを取りにいく気持ちを前面に出さないと、プレーにもその気持ちが出てこないと思いました。来年になったら同級生が大学からドラフトで入ってくる。高卒入りとして彼らよりも先を走る選手でないといけないと思うので、今シーズンはレギュラー取りに向けて真剣に取り組んでいこうと思っているんです。

 その中でチャンスをもらったら、しっかりつかみ取りたい。そこを逃がすと「機会は次の人に行ってしまう」という危機感を持って臨んでいます。僕のプレースタイルというのは、飛び抜けているモノがないので、スタメンとして試合に出て総合力でアピールするしかないんです。そのためには走攻守すべてのレベルを上げていかなければいけません。バッティングであれば、勝負強さをもっともっと出して「こいつなら何とかしてくれるだろう」という雰囲気を持つ打者にならないといけない。守備もエラーをしない、安定したプレーを続けることが必要だと思っています。

打席ではいかに長くボールを見られるか

今季目指すはショートのレギュラー奪取 【写真=BBM】

 高校時代、4度甲子園に出場した北條。2軍公式戦での甲子園デーゲームでは高揚感はなかった。しかし、昨年1軍のナイターでの1打席を経験。このときのバッターボックスから見たカクテル光線は、今まで見た光景とは、まったく違った。そしてより一層、1軍で活躍することを誓った。もう一つ上の段階の打撃を身に付けようと昨年の秋季キャンプから一心不乱にバットを振り続け、その結果がオープン戦での打率4割超えにつながった。

北條 昨年、1軍に昇格したときに初めて1軍の打席(5月28日・東北楽天戦/甲子園)を経験しました。ナイトゲームでしたので「これがプロ野球の世界なんや!」「プロ野球をしている」と強く思いました。観客数や、応援の盛り上がりも独特で「夜の甲子園はプロ仕様なんやな」と思いましたね。そんな中での初打席は、やはり冷静になれなかった。配球に対する考え方は問題なかったんですよ。ボール、ボールときたので、3球目は真っすぐに絞ったんです。その通り、真っすぐが来ました。しかし、力んで、体が早く開いてしまい……ファーストファウルフライに終わりました。あの場面、もっと冷静であったらな、と今でも後悔しています。

 このとき一番感じたのは、1軍投手の真っすぐ、変化球のキレは、2軍投手のそれとは、まったく違ったということです。だからこそ、ヒッティングポイントを前に持っていかないと、差し込まれてファウルになり、強い打球がフェアゾーンに打てないと思いました。

 今は「ポイントを前にする」ということを考えてバッティングに取り組んでいます。ポイントを前にするということは、準備を早くすること。それがトップを早くつくることにつながり、ボールを長く見られることにつながります。これができればさまざまな変化球に対応できます。さらに、打ちにいくときに、体が投手の方へ、正対しなければ(開かなければ)ボール球を見極めて見逃すこともできると思います。その部分を十分に気をつけながら、オープン戦の打席に立っていました。

 次に気をつけることは、走者がいなかったら、必ず塁に出ることを最優先に考え、走者が塁上にいたら絶対にかえすということです。「絶対にやってやるぞ!」という思いは昨年以上に強いんです。(金本)監督の考え方は、「こいつアカンな」と思ったらすぐに2軍に落とすと思いますので、余計にアピールしていきたいと思います。

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