ハリルホジッチ「A代表に入る努力を」 W杯予選 アフガニスタン戦前日会見

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アフガニスタン代表戦に向けて、前日会見に臨むハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は24日、埼玉スタジアム2002でワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップUAE2019予選のアフガニスタン代表戦に臨む。試合を翌日に控えた23日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 日本は現在、グループEで5勝1分けの勝ち点16で首位につけているものの、2位のシリアがわずか勝ち点1差でつけており、勝ち点の取りこぼしは許されない状況だ。ハリルホジッチ監督は「単に戦うだけでなく、得点を取って、最後まで失点をしないことをこの2試合で続けていきたい」と明言。その上で、「違うオーガナイズにトライしたい」「このオプションがうまくいくかは様子を見てほしい」「どのような化学反応を起こすかも様子を見なければいけない」とコメントし、これまでの試合とは違ったシステムで試合に臨むことを示唆した。

違うオーガナイズにトライしたい

 皆さん、こんにちは。前回も申し上げたが、この2試合の目的は勝利すること、そして失点をしないこと、できるだけたくさんの得点をすること。それに関してトレーニングをして、(選手と)たくさん話もしてきた。

 数か月、彼らと会っていなかったということで、昨日のトレーニングで少し感じたこともある。少し遅れてきた選手もいるし、少し疲労が残っていると感じる選手もいた。この試合は熱意をもって、しっかり戦わなければならない。ただ単に戦うだけでなく、得点をとって最後まで失点をしないことを、この2試合で続けていきたいと思っている。

――2試合の目的は勝利することと言いながらも、できるだけ多くの選手にチャンスを与えたいという話がメンバー発表のときにあった。チャンスを与えるということのプライオリティーとして、アフガニスタン戦とシリア戦という2つのゲームをどのように考えているか?(河治良幸/フリーランス)

 違うオーガナイズにトライしたい。それがうまくいくかどうかは少し様子を見てということだが、選手には気持ちを持って戦うところからスタートしてほしい。そして本当に真面目に戦うというところを見せてほしい。(0−0に終わった昨年6月のホームでの)シンガポール戦を忘れてはいけないと思う。

 明日はたくさんの観客が試合を見に来てくれると思う。彼らが満足してスタジアムを去れる試合を、われわれはしなければならないと思う。まず選手には、その責任があるという話をした。それをグラウンドで彼らには表現してほしい。

 このオプションがうまくいくかは様子を見てほしい。プレーの仕方もまだまだ改善すべきところがある。もちろんこのシステムがうまくいけば素晴らしいことだが、そのためには本当にたくさんのトレーニングを積まなければならないことも事実。昨日もトライしたし、今日もまたトライしていくが、11人がどのような化学反応を起こすかも様子を見なければならない。

 そして、彼らにもっとコミュニケーションを取ってほしいという話もした。何人かの選手は努力をしてほしい。彼らが1つの言葉を発するのに、私は10年も待てない。われわれの仕事は発展していかなければならない。守備面でもだ。第二段階はもう少しレベルが上がってほしいと思っている。そのためには、ある程度のことを変えていかなければならない。個人のこともだが、組織面でも、本当にたくさんのディテールがある。ビデオもたくさん用意したし、たくさんの仕事を本当に正確にやってきた。これから多くのトライをしたいと思っている。

――その選手起用にあたって、アフガニスタン戦とシリア戦のプランニングの違いは?(河治良幸/フリーランス)

 シリア戦はダイレクトに順位が関係してくるので、シリア戦は様子を見て、アフガニスタン戦に集中したい。アフガニスタンは監督が変わっており、(昨年12月〜今年1月にかけて行われた)南アジア選手権でいい結果を残して、かなりゴールをしている。インドとのファイナルで(敗れたが)、彼らがずいぶん(試合を)支配していた。そういうこともあるので、集中してディテールを準備してきた。選手には本当に熱意、野心を持ってやってほしい。

植えつけたいのは競争意識

――昨日合流した香川真司、本田圭佑、川島永嗣は体調を見て起用したいと言っていた。彼らは起用できそうか?

 ノーだと思う。彼らは昨日到着したばかりで、疲労は考慮しなければならない。リスクは取らない。そういうこともあって控えにしたいと考えている。ただ、エイジは違う。エイジはプレーするために来たのではない。まだ少し痛みを抱えている。トレーニングはできるが、ボールを蹴る際には注意をしなければいけない。エイジが来たのはわれわれとディスカッションをするためでもあるし、治療のためでもある。そして少しトレーニングをするためでもある。

 23人の中に入れることは考えていないし、エイジとは次のシーズンのことを話さなければならない。クラブで続けていくのか、彼にどういったアイデアがあるのかを聞きたい。そのためにディスカッションをしたい。彼にはここ数年、代表としてやってきた経験がある。仲間にもアドバイスをしてほしい。彼がグループにとってそういった存在であってほしい。そのために彼はここにいる。

――新しい選手としてハーフナー・マイクや小林悠、昌子源がいる。彼らの起用法をどう考えているのか?

 呼んですぐにプレーするかは別の話だ。呼んですぐにプレーさせるというのは、あまりやりたくない。すぐにA代表のポジションを奪えるわけではないのだ。われわれも知識を増やさなければならないし、人格を知らなければいけない。彼らが最初からプレーするのか、途中から出るのかは明日の様子を見れば分かる。彼らにもたくさんのメッセージを伝えている。

 国内組にも、A代表に入るためにはもっとやらなければいけないという話をしている。海外組にも、海外にいるからといって呼ばれるわけではないという話をしている。プレゼントは何もないのだ。プレーの内容や行動態度が悪ければA代表には入れない。A代表の資格がある選手だけだ。それは全員に言えることであり、全員がA代表に入るための努力をしてほしい。私のメッセージを選手たちが理解してくれていることを期待したい。

 私が植えつけたいのは競争意識だ。選手たちはこの席を奪って勝つんだという気持ちで代表に来てほしい。もちろん、現在はまだ発見する段階であり、それぞれが代表に入りたいという気持ちを見せてほしい。メンタル面でパーソナリティーを出してほしい。

――先ほど、昨日のトレーニングで感じることがあったと言っていたが、具体的にどんなことなのか?

 われわれは3〜4カ月選手に会っていなかったし、選手は移動の疲労もあった。そして、練習の最初は集中力も欠けていた。私はそこに対して満足できなかったため、いつもどおり叫んだのだ。これは普通のことだと思う。1回のトレーニングでかなりのメッセージを伝えなければならない。彼らには力強い言葉で伝えたいと思っている。よって、最初は彼らを目覚めさせるための努力をした。

 次の(W杯アジア)最終予選に関しては、木曜ではなく金曜に試合をできないかという話をしている。なぜかというと、木曜だと疲労を完全に回復して試合をするのは不可能だからだ。それにより、けがをする可能性もある。そういったことを最終予選に向けて変えることができればと思っている。カレンダーに関しては、選手のことをもっと考えてほしい。そういったことを関係者にお願いしたが、まだまだリスペクトが足りない。私のそうした気持ちを伝えたいと思っている。

 12時間かけて移動してくるなど、選手がどんな状態で代表に来るのかは知っているし、次の日のトレーニングは難しい。しっかりとしたトレーニングをすることは難しいのだ。つまり、チームを変えざるをえないこともある。ただ、選手は戦いたいという強い気持ちがある。ただ、リスクがあるのだ。私もメディカルスタッフには疲労回復を要求している。特に明日は何人かの選手がかなりリスクがあるのではないかと心配している。

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