川崎宗則、メジャー昇格チャンスあり! 打撃、守備、性格でカブス内野陣の一角へ

丹羽政善

オープン戦で結果を残し、開幕メジャーを目指す川崎 【Getty Images】

 2013年の夏のこと。マリナーズの本拠地・セーフコ・フィールドのビジタークラブハウスで川崎宗則(当時ブルージェイズ)と雑談をしていると、入り口から歩いて来たホセ・バティスタがこう言いながら通り過ぎていった。

「○×△、な●な□」
 
 川崎の方を振り返って、「また、変な言葉教えたでしょ?」と言うと、川崎は必死に英語で、「No, Him, Himself, He」などと、バティスタが自分で覚えたと言い張った。

 いやいや、そんなはずはない。

 すると、川崎の声が聞こえたのか、バティスタが引き返して来た。

「You taught me」(お前が教えてくれたじゃないか)

 周囲には複数の日本人記者がいたが、そのやり取りに爆笑だった。

 川崎は先日も、カブスに移籍して間もないというのに、みんなの前でマイクを握り、エアロ・スミスの名曲「ミス・ア・シング」を英語で歌い上げた。叫ばんばかりの熱唱にカブスのチームメートらは、腹を抱え、手を叩いて爆笑した。

 どのチームにもそんなムードメーカーはいるのだろうが、川崎の存在は凌駕する。そのキャラクターが、メジャーを生き抜く上でプラスに働いていることは確かだ。

打撃好調で出場機会をつかむ

 ただ、彼の存在価値はやはりフィールドにある。

 メジャー入りは無理との見方もあったが、今回、カブスのキャンプに招待選手として参加すると、開幕ロースターにあと一歩というところまで迫っている。

 無論そのチャンスは、自分で引き寄せた。

  オープン戦序盤こそ途中出場がほとんどで、打席に立っても1試合で1回ということが多かったが、9日(現地時間)の試合から3試合連続でヒットを放つと、12日の試合でスタメン出場。2安打、2打点と活躍すると、その後、明らかに出場機会が増え、打率は20日現在、3割7分となっている。
 
 招待選手がこれだけ起用されるのは珍しいわけだが、『シカゴ・サンタイムズ』紙のゴードン・ウィッテンマイヤー記者は、こう見ている。
 
「おそらく、ジョー・マドン監督がもっと川崎が見たいということで起用が増えているのだろう」
 
 それはつまり、川崎に興味を持ったマドン監督が、メジャーで使えるかどうか見極めようとしているということになる。ある試合で川崎は、粘った末にレフトフライに倒れたが、ベンチに戻る時、マドン監督は、「いい打席だった」とでも言わんばかりに川崎にハイタッチを求めた。12日以降、川崎はスタメン起用された全5試合でヒットを放ち、さらに守備でも非凡なところを見せている。

1/2ページ

著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント