【UFC】 中井りんが1年6カ月ぶりのオクタゴン 不利な戦いとなるバンタム級で敗戦

長谷川亮

1年6か月ぶりの試合に臨んだ中井りん(右)だったが、判定で敗れた 【Zuffa LLC】

 日本時間20日、オーストラリアのブリスベンで「UFC FIGHT NIGHT」が開催された。

 同大会には中井りんが14年9月の日本大会以来で出場。18戦16勝1敗1分の中井は、14戦7勝6敗1分の戦績を持つアメリカのレスリー・スミスと対戦した。

リーチ差に苦しみ連敗

フライ級での出場を願った中井だったが、バンタム級での試合となり不利な展開に 【Zuffa LLC】

 これが1年6カ月ぶりの試合となる中井は、前回プロ初の黒星を喫したものの、その対戦相手ミーシャ・テイトが先日UFC女子バンタム級王者となっており、自身も復活勝利を上げて巻き返しを図りところ。

 打撃に優れるストライカーで、リーチ・身長とも中井を上回るスミスは、身を低くして構え、そこからジャブを伸ばして組み付かれないよう中井をけん制する。うまく頭を振ってスミスのパンチをかわし、首相撲も交えてテイクダウンを狙った中井だが、スミスも心得ており組まれると振り払う。中井はスミスの右ストレートと左フックを被弾したものの、最後にタックルでテイクダウンして初回を終える。

 2Rも右クロスを浴びるなどした中井だが、何とかパンチをかいくぐってタックルからテイクダウン。グラウンドで肩固めにとらえるも、スミスはこれを逃れ、立ち上がって脱出する。そしてスタンドへ戻るとリーチ差を活かし、中井に左ミドル、右ストレート、左ハイと好印象なヒットを上げる。しかし中井も負けておらず、組み付いて再度のテイクダウンを決め、グラウンドでパンチを振り落として終了する。

 3R、ジャブを突き距離を取って展開するスミスに中井は思うように展開できず、パンチを被弾し失速も見られる。それでも終盤テイクダウンを奪ったが、極めには至らず試合終了。

 各ラウンドでテイクダウンを奪った中井だが、ジャッジはスミスの打撃に支持を与え、判定は30−27、29−28、29−28の3−0でスミス。

 フライ級(56.7kg以下)での復帰に意欲を見せた中井だが、望みはかなわず今回も61.2kgがリミットとなるバンタム級での試合出場。自身のブログにバンタム級では体重が足りず不利な戦いを強いられることを綴った中井だが、今回もスミスとのリーチ差に苦しみ、プロ初の敗戦となった前回から続く連敗となってしまった。

ハントはミアに快勝

マーク・ハントはフランク・ミアを破り、大会を締めた 【Zuffa LLC】

 また、この日は長く日本で活躍し、ジュエルス・フェザー級王座も獲得したハム・ソヒも出場したが、地元オーストラリアのベック・ハイアットに判定負け。中井同様、打撃の攻防で後れを取り、これでUFC戦績は1勝2敗となった。

 メインイベントにはニュージーランド出身でオセアニア地区のスーパースター、マーク・ハントが登場。元UFC王者でこれまでミルコ・クロコップをKO、アントニ・ホドリゴ・ノゲイラに一本勝ちしているフランク・ミアと対戦した。

 ハントは踏み込むような動きを見せてミアにプレッシャーを掛け、ミアが出られずにいると、自ら右ストレート、右スイングフックと放っていく。ミアはこれを頭を下げるダッキングでかわしていたが、ハントはこの動きを見て取ったか、続いての右クロスはやや低めに放ち、これが耳の後ろ付近をとらえるとミアはダウン。手応えがあったか、ハントは13年3月日本大会でのステファン・ストルーブ戦を思わせるように追い打ちを行わず、快勝でオーストラリア大会を締めた。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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