ハリルホジッチ「DF陣は競争が激しい」 アフガニスタン、シリア戦メンバー発表

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「本当に大事な第2段階が始まった」

「本当に大事な第2段階が始まった」と話したハリルホジッチ監督(中央) 【スポーツナビ】

――川島とはどのようにコンタクトを取り合っていたのか? またこの2試合で川島にどのようなことを求めるのか。

ハリルホジッチ 確かに(川島)永嗣は数カ月われわれと一緒におらず、(クラブで)プレーもしなかった。ようやく最近になってスコットランドでプレーをするようになった。もちろん彼のパフォーマンス、それから彼の存在というものが大事になってくる。(川島には)経験があるし、クオリティーもある。そしてA代表で数年にわたって先発していた。ただ、今度は彼が先発を奪わなければいけない立場になっている。つまり競争が高まった状態だと言える。しかし、彼と話した時には、このチームに戻ってくるという野心はかなり強かった。もし野心がなかったら呼んでいないと思う。

 まず彼のフィジカル状態がどのようなものかを把握したい。そして7〜8日かけてわれわれは行動を共にする。川島はプレーをしないかもしれないが、高いパフォーマンスを持つ選手ということで興味深いという話はしている。数年間、スタメンで試合に出場し続けている素晴らしい選手だと思う、そんな選手を簡単に除外はできない。

 GKとしても良い年齢だし、特に人間性が素晴らしい。彼がチームに良い雰囲気をもたらすし、信頼性もある。ヨーロッパでの経験もあるから、チーム内でもっと話をしてほしい、チームが成功する雰囲気を作ってほしいと話している。これから最終予選も始まるし、より難しくなると思っている。

――この2試合のテーマがあれば教えてほしい。

 これまでとはちょっと違ったやり方をトライしたいと思っている。何人かの選手は日本に帰ってくるのが火曜日になる。どんなコンディションか分からないし、けがの可能性が高まることもあり、プレーできない可能性もある。

 こういったときに、他の選手がいない場所を埋めていくことが必要だ。初めてのことを試し、チームの経験を高めていかなければならない。9月からはできるだけ良いチームでスタートしたいと思っているので、最もパフォーマンスの良いオーガナイズを見せなければいけない。そのために、何人か新しい選手をトライしたいと思っている。新しい選手がプレーするのであれば、彼らはここでチャンスをつかまなくてはならない。

――小林は久しぶりの招集だが、彼に求めるものを詳しく教えてほしい。

 まずは他のFW陣に求めることと一緒で、たくさん点を取ってほしい。われわれにとって本当に大事な第2段階が始まったが、得点を取るという部分を向上させなくてはならない。小林が出場するかは分からないし、それは彼次第だ。いろいろな選手を呼んだが、リスト以外にも選手はいるし、その彼らもメンバーに入る資格があり、次は呼ぶかもしれない。頭の中には30人ほどの選手がいるし、全員がここに呼ばれてもいい選手。リスクはあると思うが、できるだけ多くの選手達にチャンスを与えたいと思っている。

 国内合宿の中で、小林はかなりのクオリティーを見せた。全てのスタッフも同じ意見を持ったから彼を呼んだ。そして若い選手でもある。候補に入る全ての質を兼ね備えている。

「このチームには勇気が必要だ」

――それぞれの選手にクラブと違った役割を与えていると思うが、攻撃に関してはこれまでと違ったスタイルが見えてくる?

ハリルホジッチ 攻撃も守備もほぼ全員にアグレッシブさを求めている。例えば、守備のアグレッシブさというのはファウルをしないということ。先日の国内合宿で映像を見ていたが、何度も無駄なファウルがあった。特に、ディフェンスラインの選手が自分のゾーンを離れてプレーをすると、常にファウルを犯してしまう。つまり、このアグレッシブさとは守備面も攻撃面も全員で見せなければいけない。

 オフェンスのアグレッシブさというのを例に挙げると、最近はFK(からの得点)が見られず心配している。ここ5年間、FKでダイレクトに得点を決めることができていない。まずFKをもらえていないし、自信もなければ集中もない。ハイレベルなところで、何を求めているかというのを選手たちに話した。

 数年A代表を引っ張っている選手が、まだあと50年は代表に選ばれるという雰囲気を出してしまっている。私はこの2年目にはもっと野心を持って、もっと気持ちを見せてほしい。そうでなければ、日本は成長しない。

 先ほど(ビデオで)ACLの浦和の試合(広州恒大戦/2−2)を見たが、広州がグラウンダーのボールで素早いプレーをすれば、チャンスを作り出していた。それがオフェンス面で大事なこと。われわれは早くボールを走らせたい。そしてワンタッチ、ツータッチを使わなければいけない。そして、自分たちよりフィジカルの強い選手とのフィジカルコンタクトを避ける必要がある。リーガの試合を見たが、非常にコンタクトが激しい、それを想定しなくてはならない。できるだけ早くグラウンダーのボールを走らせなくてはならない。話すのは簡単だが、それをすぐにでも選手にやってほしいし、毎試合向上させてほしい。経験のある選手たちには、そういった戦いをもたらしてほしいし、それを怖がってはいけない。このチームには勇気が必要だと思う。

――ハーフナーについて。異なる戦術をとると言っていたが、使う場合の想定はあるのか?

 アジアの中でやるような試合をした場合などに向いていると思っている。われわれの短所としてセンタリングがある。そこで、この2試合ではサイドからのボールでハーフナーの頭を狙うというのが大事になる。組み立てが難しかった場合もダイレクトプレーを使ってハーフナーにロングボールを上げたり、折り返してからシュートを狙うこともできる。日本人にこういうタイプの選手が少ない中で、ハーフナーがどのようなものを見せてくれるかを見たい。

 例えばアフガニスタンだが、おそらくブロックを敷いてかなり引いてくる相手であり、ハーフナーはすぐにでも有効になる選手かもしれない。そして、われわれが特定のプレーを彼に使わなくてはいけないという想定をしている。

――清武はけが明けでコンディションに不安がある中、このタイミングで呼んだ理由を教えてほしい。また、コンディションについて本人と何か話したことは?

(ハノーファーで)4試合フル出場しており、高いパフォーマンスを見せている。もちろん彼に代わる選手がいればありがたいが、彼はヨーロッパのクラブでプレーしているし、彼の持つクオリティーの高さも分かっている。清武は毎回素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。(招集するかどうか)かなり考えたが、今言ったような理由で呼んだ。

 それから3つ目のソリューションも考えているが、そこはまだまだ分からないところ。ただ、清武のクオリティーは忘れてはいけない。彼が何をできるかについては理解しているつもり。けがに関してはかなり考えた上でこの決断を下した。直近の4試合も見た中で、われわれを助けてくれるであろうプレーも見られた。彼にはFKやサイドからの30メートルのところでもかなり高いパフォーマンスがある。この2試合はおそらく日本がゲームを支配する展開になると思うが、攻撃陣にしっかりとボールを送ることができる選手が必要になってくると考えている。

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