ハリルホジッチ「DF陣は競争が激しい」 アフガニスタン、シリア戦メンバー発表

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「今回は東口にチャンスを与えるかもしれない」

今季13得点を挙げているハーフナー・マイクが久しぶりの代表復帰を果たした 【スポーツナビ】

ハリルホジッチ GKは4人を呼ぶ。東口、西川、川島、林。なぜ4人かは、ここ数年、(川島)永嗣は私とはいなかった月日がある。今スコットランドリーグでプレーをしているが、最近けがをしてしまい、直近の試合に出ていない。ただ、永嗣とはコンタクトを取り続けており、トレーニングを続けているということだし、問題がなければ今週末の試合に出るのではないか。彼も呼んでどのような状態かを見てみたい。彼がプレーするかどうかはまた別の問題。われわれと過ごし、様子を見ていく。そのために4人選んでいる。林も新しい選手だが、ここに入りしっかりとわれわれのトレーニングを積んでほしい。

 東口と西川は常にわれわれと関わっている選手。もしかしたら今回は東口にチャンスを与えるかもしれない。同時に予選突破をしなければいけないが、選手にできるだけたくさんのチャンスを与えてあげたい。このチャンスをつかむのは選手たちだ。何人かはチャンスをつかむかもしれないし、何人かはつかまないかもしれない。東口は自分のチームで良いプレーをしているので、チャンスを与えてあげたい。

 それではDF。(酒井)宏樹は常にプレーしているし、しっかりと向上している選手だ。ハイレベルにいくためのフィジカルクオリティーがある、日本人にはまれな選手だ。しかし頻繁にそのクオリティーを発揮できているわけではない。彼には個人のビデオを用意しているので、話をしながら向上させていきたい。(酒井)高徳もよくプレーする選手。(チームで)先発を勝ち取ったのではないか。われわれはよく知っているが、本当に丁寧にやる選手でA代表に呼ぶ資格がある。

(長友)佑都もインテルで常にプレーしており、右も左もやっている。現地で彼や本田と話したが、ゲームの中での役割、グループでの役割といったことを伝えてきた。そしてイタリアでの経験を、もっとチームに落としてほしいと話した。特にディフェンス面で。佑都はピッチ内も外もかなり信頼している。藤春だが、彼もかなり向上した。現代フットボールに必要なサイドバックを表現できる選手だ。攻撃面にかなりのことをもたらすことができる。攻守にわたって2つの役割が重要になってくる。

 そしてセンターバック(CB)は4人用意している。(吉田)麻也だが、まだ頻繁にプレーできているわけではない。チームでかなり高い競争をしているからだ。彼にもアドバイスを送り、「しっかりと戦える準備をしておきなさい」ということを話した。しっかりと先発を勝ち取ってほしい。

 槙野ともしっかりと話をした。昨日の夜(ACL広州恒大戦/2−2)は本当に世界で有数の力強いFWたちと対峙(たいじ)していたが、しっかりと跳ね返していた。このような試合で彼は向上していくと思う。森重は本当に体も良い状態だし、ディスカッションもして満足している。先の試合(ACL江蘇蘇寧戦/0−0)で、丸山とのポジショニング、組み立て、カバーリング、全てが良かった。無駄なファウルもなかったし、ラインを上げるということもできていた。昌子は以前にも呼んだことがあるが、彼もものすごい競争の中にこれから入らなければいけない。パワーもあるし、向上すると思う。

 これが8人のディフェンダーだ。この8人のDF陣はかなり競争が激しいと思う。(今回は選ばれなかった)丸山の左利きというのも良いし、彼も向上していく選手。トレーニングをして先発を勝ち取ってほしい。

「柏木の動きが重要になってくる」

ハリルホジッチ それでは中盤。長谷部はわれわれのキャプテンであり、たくさん話をしてきた。(山口)蛍だが、良いレベルになるのではないか。ただ常に先発を勝ち取っているわけではない。彼にとっては難しい状況が続くが、励ましたり元気づけたりもしてきた。彼の守備の役割にはかなり信頼しているが、攻撃面で改善すべきところがたくさんある。ドイツで適応するということは簡単なことではない。A代表に良いものをもたらしてくれると思う。

 それから(柏木)陽介は、われわれに足りなかった左利きだし、運動量も多い。組み立てで守備と中盤をつないでくれる選手だが、彼の動きが重要になってくる。パワーがないが、彼の運動量で勝っていくと思っている。守備も攻撃もチームに良いものをもたらしてくれる。良いボールも蹴ることができるし、プレーのスピードで彼が必要になってくる。このような選手を使って、FWの選手が背後を取れるようになる。そして中盤で左利きを抱えているのは、フリーキック(FK)でも興味深いことができる。昨日も良いFKをしていた。ただフィジカルコンタクトのところでなかなか良くならない。ミニ合宿の中でも「もっと身体を強くしなさい」と話したが、彼は本当に野心を強く持っている選手。このA代表の中でも先発を勝ち取ってほしい。

 原口もドイツで先発でプレーしている。今回の試合は火曜日にしか(日本に)着けない選手がいるので、もしかしたらゲームプランを少し変更するかもしれない。原口は真ん中でできるかもしれない。中盤もできると思っている。半分は守備、半分は攻撃という役割だ。そういうプレーができると思うし、もっと得点も取ってほしいと思っている。

 香川については、ドイツのビッグクラブでかなりの競争に入っている。彼ともかなりのことを話してきた。常にプレーしたいと言っていたが、なかなか(先発を)奪えるものではないし、A代表でもプレーできるかは分からない。清武はけがから復帰した。彼は香川と同じ役割だ。最後の30メートルのオーガナイズを担わなければいけない。最近は試合にもしっかりと出ている。前回は呼ばれなかったが、戻って一緒にやってほしいと思っている。この試合に彼のクオリティーが必要だと期待している。以上が守備的ハーフと攻撃的ハーフだ。われわれが選ぶ選手はよりオフェンスに働きかけている選手だが、しっかりと得点を取らなければいけない。ただ、それぞれ守備の役割もある。

「岡崎は模範となれる素晴らしい選手だ」

ハリルホジッチ では攻撃の選手にいくが、何人か新しい選手がいる。(本田)圭佑は常に先発で出ているのでうれしい。ミランはかなり競争が高い。ミランでは右サイドハーフだが、代表ではFWとしてもっと前でやってほしいと考えている。全く違う役割を要求することになるが、特に背後へ抜けるオブリックランニング(斜めに走りながら「く」の字を描くように急激に方向転換する動きだし)を使って存在感を出してほしいと思っている。体の状態も良いし、守備面でもかなりの役割を果たしている。

 小林は少し新しい選手だが、数カ月見続けてきた。彼にチャンスを与えたい。前回のミニ合宿でかなりのクオリティーを見せていた。この代表で得点を取れるまれな選手。右サイドでプレーできるし、もしかしたら真ん中もできるかもしれない。彼はゴールゲッターとしてのクオリティーがある。われわれに足りなかったところだ。最近インフルエンザにかかっていたが、トレーニングは開始しているし、合宿でしっかりと状態を見たいと思う。スタッフで分析し24人に入る資格があると判断した。

 宇佐美は本当に能力がある選手だ。ただ、能力だけでは十分ではない。たくさんのことをして向上していると思う。そして私は彼に対して我慢をしている。努力をしているが、日本にはこういった能力を持った選手はまれなので、励ましながらやっていかなければいけない。

 そして岡崎。(先日のオーバーヘッドでのゴールは)クリアしたいと言っていたらしいが、ゴールになってしまったようだ。(場内笑)。本当に模範的な選手だと思う。このような選手はどこへやっても良い選手だと言える。彼とは冗談を言い合うのだが、「レスターでは守備的MFもしくはCBだね。でもA代表は違うよ」と話している。A代表ではレスターと全く違う役割を要求する。本当にこのチームでやってほしいことはたくさんあるが、私のサッカー人生においてもこのように頑張る選手というのはまれ。チームのために頑張る。自分だけのことを考えず、チームのために頑張り、模範となれる素晴らしい選手だと思う。今シーズン、もっとゴールを取ってほしいと思う。この予選の中で、誰が一番点を取っているかというと、本田がようやく7〜8位ぐらい(正確には5得点で9位)で得点を取っている。つまり、本田以外に点を取れるFWを探さなければいけない。A代表はもっと点を取れる選手が望ましい。

 金崎も少し新しい選手。彼もチャンスをつかんでほしい。運動量が多く、興味深い選手。本当によくポジションを動くし、頑張り屋だ。しかしA代表では少し中央に残ってほしい。得点が取れるゾーンに入ってきてほしい。特にゴールを取るという部分では、彼のクオリティーが良いものをもたらしてくれると思っている。ハーフナー・マイクもまた新しい選手だが、今のところ(リーグ戦で)13得点取っている選手。身長がある選手で、われわれのチームにここまでの身長の選手はいない。このような選手を使った場合、彼に向けたプレーというのが必要になってくる。ヘディングのところが興味深い。どのような発展を遂げているのかも見るために呼んでいる。やる気もあって野心もあって、(代表に)戻ってきたいとも話していた。彼を使うときは、しっかりとオーガナイズを変えて、彼が合わせられるようにしなくていけない。スピードやパワーが強いわけではないので、彼とは様子を見ていかなければいけない。以上、FWは6人だ。

 私には少しアイデアがある。おそらくこの2試合では2つの違ったオーガナイズを使うと思う。まだまだ頭の中で考えている段階だが。選手に伝えたいメッセージは、野心とやる気と次への準備だ。私は選手のことを本当に信頼している。

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