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琴奨菊の優勝は稀勢の里のチャンス!?
元若の里・西岩親方の春場所展望
佐渡ヶ嶽部屋に出稽古に出向き、琴奨菊(左)と稽古を行う稀勢の里(右)。優勝では先を越されたが、西岩親方の期待通り奮起できるか?
佐渡ヶ嶽部屋に出稽古に出向き、琴奨菊(左)と稽古を行う稀勢の里(右)。優勝では先を越されたが、西岩親方の期待通り奮起できるか?【写真は共同】

 13日から大相撲3月場所が開催される。昨年は本場所開催90日で86日が満員御礼、初場所千秋楽の視聴率は関東地区で24%を記録するなど、今や大相撲は新たなブームを巻き起こしている。


 琴奨菊の日本出身力士として10年ぶりの優勝に沸いた初場所から2カ月。琴奨菊の連覇と綱取りはあるのか。その他の横綱、大関陣の巻き返しはあるのか? そして、立会いの変化で物議をかもす横綱・白鵬をどう見るか? 見どころ満載の3月場所の展望について、昨年7月場所限りで土俵に別れを告げた元若の里の西岩親方に聞いた。

簡単ではない琴奨菊の綱取り

――初場所は琴奨菊が優勝。春場所では綱取りの期待が高まっていますが、可能性は?


 日本出身力士が10年ぶりに優勝して、大阪場所の注目度が高まっています。個人的には優勝して横綱になってほしいですが、そんなに甘いものではないでしょう。

先場所は優勝しましたが、琴奨菊の成績を見てみると2場所連続で優勝か、それに近い成績を残すのは簡単ではありません。ただ、日本人の横綱は久しくいないので、がんばってほしいです。


――初場所で劇的に変わった部分はありましたか?


 気持ちの面で違っていたと思います。特に7日目まで全勝できて、中日8日目で大関・稀勢の里と対戦。「次の横綱」とか「日本人で優勝するとしたら稀勢の里」と言われていた相手に勝ったのは大きかった。一つの山を越えて、さらに勢いがつきました。


――3月場所も星を落とさないこと、そしてターニングポイントになる一番を取ることですね?


 前半戦は番付下位の力士との対戦が続きますので、中日までは全勝で行くことが大事です。気持ちも乗ってきますし、周りもそういう雰囲気になります。いい流れを作るのは中日までの相撲です。乗ってくると自分の持っているもの以上のものが出ます。


――琴奨菊と対戦する力士はどう対策をすればいいでしょうか?


 琴奨菊が得意なのは休まずに出てくる、いわゆる“がぶり寄り”です。まずは立合いで当たり負けをしないこと、強い踏み込みで当たりを止めることです。止めて四つに組んでしまうと、琴奨菊は得意ではないので、下位の力士にもチャンスがあります。

白鵬の変化は研究の結果の表れ

――横綱・白鵬ですが、最近は猫だましや立合いの変化などが目立ちます。


 猫だましも含めてですけど、立合いの変化には2パターンあります。一つはまともに行っても勝てない相手にやる“奇襲”。もう一つはいろいろ試そうとする“余裕”です。白鵬は後者なので、力が落ちたということは一切無いと思います。自信がなかったらできません。


――親方は現役だったらどうでしょう?


 個人的には立ち合いの変化は絶対にやらないです。ただ、やる力士を否定するつもりはないです。なぜなら反則じゃないからです。それも一つの相撲の技であり勝ち方なので、いいと思います。


――2場所連続で白鵬の奇襲を栃煌山が食らっています。


 あれは栃煌山に問題があります。彼は立合いで全く相手を見ません。それを白鵬が見抜いています。ですから猫だましなどを受けると目を閉じてしまうのです。栃煌山は2場所続けてあのような形で負けていますから、もう少し考えなければならないですね。


(他の力士もその弱点を)知っていますが、白鵬くらい実力があるから通用するんです。「横綱はそういう相撲を取るべきではない」という意見もありますが、白鵬が相手を研究している結果でしょう。


――九州場所と初場所は終盤で連敗して優勝を逃してしまいましたが、この点についてはいかがでしょうか。


 初場所は琴奨菊の勢いにやられてしまったという感じですよね。白鵬戦で一気に琴奨菊は優勝に近づきましたから。その後、白鵬はちょっと気持ちが抜けてしまったような、そんな印象を受けました。

西尾克洋
西尾克洋

1980年鹿児島県生まれ。日本大学を卒業後、IT関連企業でエンジニアとして活動する傍らで2011年よりスポーツナビブログ『幕下相撲の知られざる世界』を開始。静岡新聞では浜松巡業特別号のコラムを執筆し、「大相撲ぴあ」ではインタビュー記事を担当するなど、大相撲を中心にライターとして活動を展開している。

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