上田桃子が求める勝利のワンショット 駆け抜けた20代から30代への決意
今年は一昨年と昨年を掛け合わせたようなプレーを目指すという上田 【写真:ALBA.Net】
手応えと充実感を感じた昨シーズン
ずっと体を動かしていました。基本的には走りこみと全身のトレーニングですかね。今年30歳になるので、野性的な体をもう一度よみがえらせたいと思ってやっていました。
ここ数年はシーズン中もフォームを大事にトレーニングをしているけど、それ以外でもう少しダイナミックな動きを、野生的にできるようにと、12月、1月とやっていました。自分が本来持っていたリズム感、足でのリズムとバランスは、全身運動をすることでよみがえると思う。できるだけ大きい動きを野生的にできるようにという感じです。
――それは原点に戻りたいという思い?
いえ、10代の時の体にはもう戻りたくても戻れないですし、前のようになりたいというのはないです。ただ、昔良かった感覚とか、リズムとか、バランスとかは、大きい動きをダイナミックにやることによってヒントがつかめるかと。そういう意図でやっていました。
ボールを打つ練習は割合的には2割くらいですけど、トレーニングによって昨年以上に軸を感じやすくなっているし、足の裏のバランスも良くなったと思います。ダウンスイングで右腰が出てくるのが早くなると、どうしても上半身の力感が入りやすくなるけど、その辺も粘りを意識して切り返すことで、股関節と体幹に意識をもってスイングできるようになってきたかなと思います。
――昨シーズンは安定したスタッツを残すも勝利には届かなかった。
そうですね。良いことばかりではなかったです。ただ、悪いことばかりでもなかった。手応えと充実感はあったけど、勝つためにワンショットがすごく大事で。そのワンショットが打てなかった。
一昨年は勝てたのに安定感がなく、昨年は安定感はあったけど勝てなかった。今年はそれを掛け合わせるようなアグレッシブなゴルフをすることで、求めるワンショットが出てくると思う。そういうワンショットで流れを変えて、優勝を自分でつかみとれるようにしていきたい。今年はワンショットに懸けたいという気持ちですね。
――昨年はシーズン前に10勝という大きな目標を掲げましたが。
昨年は本当に大きい目標を掲げていたので、モチベーションを高くやることができていました。ただ、それによって責任を感じてしまった部分もあり、楽しさとかアグレッシブさに欠けていました。
今年は特に大きな目標は掲げず、目の前のことに全力を尽くすのが毎日、毎日の目標。そういう中でも、責任感を感じてやらなければいけないのは変わらないし、高い目標は心の中にはあるけど、そういったものを踏まえて日々を全力で過ごしていけば、結果は1年終わった時に見えると思う。そこを目指してやっていきたいですね。