松岡修造「圭にタフな道を選んでほしい」 デビス杯イギリス戦、注目ポイントは?

WOWOW

国別対抗戦のデビス杯「日本vs.イギリス」の展望は!? 松岡修造氏に聞いた 【スポーツナビ】

 男子テニスの国別対抗戦「デビス杯(デ杯)」のワールドグループ(WG)1回戦が4日に開幕し、日本は、昨年優勝のイギリスと敵地バーミンガムで対戦する。

 デビス杯は、初日にシングルス2試合、2日目にダブルス1試合、最終日にシングルス2試合を戦い、先に3勝を挙げた国が勝利するチーム戦。日本は、エース・錦織圭(日清食品)を筆頭に、ダニエル太郎(エイブル)、西岡良仁(ヨネックス)、内山靖崇(北日本物産)の4人がメンバー入り。一方の王者イギリスは、“ビッグ4”の一角を担うアンディと、ダブルス世界2位の兄・ジェイミーのマリー兄弟を中心に布陣を組む。

 スポーツナビでは、イギリス戦の見どころや日本の戦略などについて、日本テニス協会強化副本部長でもあり、この試合をWOWOWで解説する松岡修造氏に聞いた。

錦織vs.マリーはテンポの速い試合になる

――まず日本の布陣をどう分析しますか?

 1つは圭を軸にシングルスを2勝するというのが、日本がイギリスに勝つための絶対条件でしょうね。もう1勝をシングルスとダブルスのどちらで取るかの選択になると思います。僕個人は、圭は世界のトッププレーヤーだと思っているし、世界のトップ4の仲間入りをすべき選手です。だからこそ、シングルスだけでなくダブルスに出てこそ本当の世界のトッププレーヤーだと思っているんです。でも、このあとのツアーも本当にタフなので、これだけタフな時に圭自身がどう判断するかですね。ダブルスで内山選手と組んで勝つ確率は正直、厳しい。でも何が起こるかわからないのもデ杯です。僕の思いとしては、日本は準決勝や決勝にいけるチームだと思っています。ベルギーでも(昨年は)決勝に行っているわけですから。誰か一人強い軸になる選手がいれば可能性はある。そう考えると、圭にはタフな道を選んでほしいと思います。

――ツアーの予定が詰まっている中、錦織選手のコンディションをどう見ていますか?

 悪くはないと思います。昨年に関しても棄権している試合はほとんどありません。でも、アカプルコからデビス杯、ATP1000の試合が2つというスケジュールは、彼にとっては相当な道のりだと思います。特にATP戦は勝ちたいという思いが強いですから、そこで(デ杯で)大事になってくるのは1戦目でしょうね。多分楽には勝てないと思いますが、そこを簡単に乗り切ったら、ダブルスに出る可能性もあるでしょう。そこで混戦になったら、植田(実)監督も「シングルスに懸けよう」ということになってくると思います。

錦織(左)とマリーの対戦にも大きな注目が集まりそうだ 【Getty Images】

――シングルスでは錦織選手とマリー選手との対戦が予想されます。過去の対戦成績は1勝5敗と分が悪いですが、マリー選手に勝つために必要なことは?

 マリー選手はもっとも負けず嫌いですね。こういう選手はデ杯になると本当に強い。彼のアクション、(感情の)出し方、表現を見ると「この人はとことん負けたくないんだ」ということが分かると思います。それに、国を背負う気持ちも半端ない。昨年優勝したことが自分にどれだけプラスになったのかを分かっているからこそ、圭に絶対に勝つ、負けられないという思いは強いはずです。それに彼は戦略家で、ツアーの中で圭をもっとも研究している選手です。圭自身も、この前話した時に「(マリーは)すごく攻撃が速くなってきている」と。特にセカンドサービスの攻撃を注意していかないといけないという思いがすごく強いはずですね。ですからこれまで以上にテンポの速い試合になると思います。

――錦織選手にも勝機は十分ありますか?

 もちろんありますよ。五分五分とは言いません。普通に考えたら6対4でマリーです。ただ、圭はデ杯では強いです。ホームアドバンテージがマリーにとってプラスになるか、マイナスになるかだと思います。一方の圭はその辺を感じないタイプで、ホームでもアウェーでもどっちでも強いというイメージがすごくある。応援されたから強い・弱いということも関係ない。自分に集中できるタイプです。

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