【NJKF】 父となった“激闘王”テヨンが快勝 “褐色のナルシスト”健太が判定勝利

長谷川亮

WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者で“激闘王”の異名を持つテヨンがKO勝利 【長谷川亮】

 ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)「NJKF 2016 1st」が21日、東京・後楽園ホールで開催された。

 NJKF5階級のタイトルマッチも実施された中、大会メインを務めたのはWBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者で“激闘王”の異名を持つテヨン。

 父も元キックボクサーにしてベルトを巻いたチャンピオン、親子2代での王者となるテヨンはここまで23戦16勝(13KO)4敗3分と高いKO率を誇る強打者。今回はセイサック・エスジムとの対戦で、キャリア24戦目にして初のタイ人との一戦となった。

必勝パターンでダウン奪う

右ストレートから返しの左フックという必勝パターンでダウンを奪い、そこからKOへとつなげた 【長谷川亮】

 開始から軽快に左右のローを放ち、まず足から潰していくテヨンに対し、セイサックはこの蹴り足を掴んで転ばせ、自身もローを入れ、さらには顔面前蹴りとテヨンを容易にパンチの距離へ入れさせない。

 2R、変わらず蹴りを入れたテヨンはパンチの間合いに持ち込むと、右ストレートから返しの左フック。昨年11月、同じコンビネーションでWBCムエタイ王座をKO防衛したテヨンはこれでタイミングをものにしたか、今回もセイサックをとらえてダウンさせる。立ち上がったセイサックだがダメージは隠せず、テヨンは続けて右ストレートで打ち倒し、2016年第1戦をKOで締めた。

 昨年末に第1子が誕生し父となったテヨンは「子どもにたくさん試合を残したい」と語っており、父としての第1戦も幸先よいスタートを切る形となった。

健太は大和との再戦を訴える

判定勝利の健太は、NJKFマスコットガールの菜緒さんとナルシスポーズで写真撮影を行った 【長谷川亮】

 セミファイルには“褐色のナルシスト”健太が登場。昨年は3連敗に陥り、保持したWBCムエタイ日本統一ウェルター級王座も手放したが、ハイペースで試合を積んで復活を遂げ現在は4連勝。今回は14年7月に対戦し判定で降した笹谷淳のリベンジマッチを迎え撃った。

 試合ペースの早い健太は早々と3月にも対日本人無敗の強豪ゴンナパーとの対戦が決まっており、これに笹谷は「無傷で勝つつもりかもしれませんが、五体満足では降ろしません」と闘志を燃やす。

 開始からその意気込み通り危険なヒジを振るっていく笹谷だが、健太は自らもヒジでこれに応戦しつつ、首相撲で動きを封じるとヒザをボディに集めて笹谷を削る。健太優勢で迎えた最終3R、笹谷は気合いの声を発しながらヒジを放つが、健太もやはり声を出してヒジを振り返す。途中、笹谷のバッティングで眉間をカットしてしまった健太だが、ヒジ・フックを打ち込み試合終了。

 判定で勝利すると、格闘技界で写真撮影時に流行の兆しを見せているナルシスポーズをNJKFマスコットガールの菜緒さんに指導しながら決め、昨年敗れたWBCムエタイ現王者・大和侑也とのベルトを懸けた再戦を訴えた。

2015年度MVPは悠矢が受賞

2015年度MVPは悠矢(前列中央)が受賞 【長谷川亮】

 なお、この日はNJKF2015年度の年間表彰が行われ、MVPはNJKFで昨年3戦3勝の悠矢が受賞。悠矢は昨年、他団体王者の町田光と皇治、後にRISEで王者となる野辺広大を降し活躍を見せた。

 そのほか、大会の全試合結果は以下の通り。

■「NJKF 2016 1st」
2月21日(日)東京・後楽園ホール


<第8試合 スーパーファイト 64.5kg契約 3分3R>
○テヨン(キングジム/WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者)
(2R1分28秒 KO)
●セイサック・エスジム(タイ/エスジム)

<第7試合 スーパーファイト 67kg契約 3分3R>
○健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
●笹谷淳(TANG TANG FIGHT CLUB/元J−NETWORKウェルター級王者)
※30−29、30−28、30−28

<第6試合 NEW JAPAN WARS II NJKFバンタム級タイトルマッチ 3分5R>
○前田浩喜(CORE/王者)
(1R2分08秒 KO)
●守屋将(新興ムエタイジム/同級1位)

<第5試合 NEW JAPAN WARS II NJKFスーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R>
○白神武央(拳之会/同級1位)
(2R1分29秒 KO)
●YETI達朗(キングジム/王者)
※白神が新王座に就く

<WBCムエタイジュニアリーグ −50 東西対抗戦 1分30秒3R>
〇大田 一航(神奈川県厚木市立南毛利中学校2年生/東日本代表)
(判定3−0)
●林 佑哉(広島県福山市立松永中学校3年生/西日本代表)
※30−29、29−28、30−28

<第4試合 NEW JAPAN WARS II NJKFスーパーフェザー級王座決定戦 3分5R>
○鈴木翔也(OGUNI/同級1位)
(判定2−1)
●北野克樹(誠至会/同級2位)
※49−48(鈴木)、49−48(北野)、49−48(鈴木)
※鈴木が新王座に就く
※北野は計量オーバーがあり減点1

<第3試合 NEW JAPAN WARS II NJKFフェザー級王座決定戦 3分5R>
○半田一覇(誠至会/同級2位)
(2R1分37秒 KO)
●阿羅斗(E.S.G/同級1位)
※半田が新王座に就く

<第2試合 NEW JAPAN WARS II NJKFフライ級王座決定戦 3分5R>
○山下Spankey博史(誠至会/同級4位)
(延長判定3−0)
●大槻直輝(OGUNI GYM/同級3位)
※3者10−9
※山下が新王座に就く
※本戦は49−48(大槻)、49−48(山下)、49−49でドロー

<第1試合 日タイ国際戦 64kg契約 ヒジなしルール 3分3R>
○ラッヒィン・セイシカイ(誠至会/元ラジャダムナン/ルンピニースーパーライト級2位)
(判定3−0)
●一輝(OGUNI/NJKFスーパーライト級2位)
※30−28、30−28、30−27
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント