選手名鑑ツッコミどころ大賞〜後編〜 カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

カネシゲタカシ

“選手名鑑あるある”の現実度は?

 さて「番記者寸評」について触れたので、最後に個人的に気になっていた“選手名鑑あるある”を検証してみました。それは「ベテラン選手の寸評」に関するこんなあるあるネタ。

「選手名鑑ありがちベスト3『まだまだ老け込む年じゃない』『新天地で一花』『勝負強さは健在』」

『みんなの あるあるプロ野球〜極〜』(カネシゲタカシ・野球大喜利著)に掲載させていただいた上記のネタ。要するに“ベテラン選手の寸評はこの3つが定番だよね”ということなんですが、実際のところどうなのでしょう? 今年の『写真名鑑号』で検証してみると以下の結果が。

【まだまだ老け込む年じゃない】=2名

「まだ老け込む年ではない」(西武・岡本篤志)
「まだ老け込む年じゃないだけに、再起を誓う」(ヤクルト・松岡健一)

【勝負強さは健在】=1名

「チャンスに強い打撃は健在」(DeNA・柳田殖生)

【新天地で一花】=0名

「あれ、思ったより少ないぞ」という集計結果が出ました。「新天地で一花」に至ってはゼロ。西武を戦力外になり千葉ロッテに移籍した田中靖洋「この悔しさを新天地で晴らし」と書かれているのが惜しいくらい。
 
「勝負強さは健在」はDeNA・柳田が“ほぼ正解”ですが、ピタリ賞ではない感じ。ただし西武・上本達之を評した「ベテラン健在を見せつける」や、広島・石原慶幸を評した「インサイドワークは健在」のように“健在”の文字そのものは数多く登場します。これらは“健在系”として同じカテゴリーに分類しても良いのかも。

 しかし、西武・岡本ヤクルト・松岡の「まだまだ老け込む年じゃない」は文言的にかなりのビンゴ。だって見つけたとき嬉しかったですもん。ビートたけしが「ダンカンこの野郎!」って言ってるのを聞いたような気持ち。まあ、実際のたけしさんは「ダンカンこの野郎!」と言ったことは一度もないそうですが(おそらく松村邦洋さんの創作とのこと)。

 ちなみに西武・岡本は今年35歳。ヤクルト・松岡は今年34歳。ここにひとつトリビアが生まれました。

“プロ野球選手の『まだまだ老け込む年じゃない』は34〜35歳”

 まったく役には立ちませんが、ぜひ皆さんも覚えておいてください。以上「選手名鑑ツッコミどころ大賞2016」でした。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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