選手名鑑ツッコミどころ大賞〜後編〜 カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』
まずは「趣味、特技」欄
そんななか“趣味欄”のストイックさで周囲にプレッシャーを与える選手がいました。広島・大瀬良大地です。
「野球のことを考えること」
どうですか、この優等生っぷり。頼もしきこと限りなしです。ちなみに“顔が似ている”という理由で大瀬良とともに「カピバラ三兄弟」と呼ばれる一岡竜司と今村猛の趣味は、それぞれ「PS3でゲーム」と「昼寝」。
【イラスト:カネシゲタカシ】
ほかにも趣味欄では、巨人・鈴木尚広が「タンバリン」で異彩を放ったり、横浜DeNA・飯塚悟史が「特になし。ないのが今の悩みです」と読者に語りかける新しいスタイルを模索したりと、見どころたっぷりです。そんななか、最もインパクトのある趣味を挙げているのはオリックス・奥浪鏡でしょう。
「食事」
ぽっちゃり顔で微笑む奥浪の写真、その横には「食事」の二文字。すばらしい予定調和です。「食事」は趣味でも特技でもありません。ただの生命維持活動です。同じく重量級選手である埼玉西武・山川穂高が「ピアノ(耳コピーができる)」と意外な特技を紹介しているのとは正反対。見た目通り、期待通り、それが奥浪の趣味「食事」。
もしかすると西武・中村剛也の趣味欄のように「食べ歩き」と書きたかったのかもしれません。でも可愛いからこれでいいのだ。そんな奥浪には「早く一軍で活躍して情熱ホルモンお食事券いっぱいもらおうね賞」を贈らせていただきます。
「番記者寸評」も多種多様
「じゃあ最もひどい寸評を書かれているのは誰だろう?」と探してみると、2人ほど見つかりました。一人目は13年目のベテラン捕手、東京ヤクルト・田中雅彦。彼につけられた寸評がこちら。
「今季も第二捕手の座を守り抜く」
もうレギュラーになることは全く期待されていない状態。なんたる低い目標設定なのでしょうか。田中捕手はぜひこの言葉を発奮材料にして、中村悠平を脅かす存在になってもらいたいものです。
そしてもう一人の「ひどい寸評」は、期待の2年目、阪神・江越大賀。
「『駒大出身、背番号25はダメ(笑)』と金本監督にイジられつつ、右の大砲を目指す」
これはひどい。かつてこんなトリッキーな右の大砲の目指し方があったでしょうか。もちろん「駒大出身、背番号25」とは阪神から広島に出戻った新井貴浩のこと。金本による新井イジりは日常茶飯事ですが、度を越すと若手選手の寸評欄に迷惑をかけてしまうのですね。被害者である江越には同情の気持ちを込めて「新井が悪いで賞」を贈呈します。