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選手名鑑ツッコミどころ大賞〜後編〜
カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

 さて先週の前編に引き続き「選手名鑑ツッコミどころ大賞2016」の後編です。今回も週刊ベースボール増刊『プロ野球 12球団写真名鑑号』(以下『写真名鑑号』)を使わせていただき、どんどんツッコミを入れていきましょう。

まずは「趣味、特技」欄

 各種成績から年俸まであらゆる数字がドライに並ぶ名鑑において「趣味、特技」欄はその選手の素顔が知れる貴重な資料です。「音楽鑑賞」や「釣り」は今も定番。しかし、ひと昔前の巨大派閥「ゴルフ」は勢力を弱め、代わりに「バスケットボール」「ダーツ」などが登場しているのは時代の流れなんでしょう。


 そんななか“趣味欄”のストイックさで周囲にプレッシャーを与える選手がいました。広島・大瀬良大地です。


「野球のことを考えること」


 どうですか、この優等生っぷり。頼もしきこと限りなしです。ちなみに“顔が似ている”という理由で大瀬良とともに「カピバラ三兄弟」と呼ばれる一岡竜司今村猛の趣味は、それぞれ「PS3でゲーム」「昼寝」

【イラスト:カネシゲタカシ】

 カピバラの世界にもいろいろあるようですね。しかし大瀬良は右ひじの違和感で侍ジャパン強化試合を辞退し開幕も危ぶまれる状況。万が一のためにも“のび太コンビ”のさらなる奮起に期待しましょう。


 ほかにも趣味欄では、巨人・鈴木尚広「タンバリン」で異彩を放ったり、横浜DeNA・飯塚悟史「特になし。ないのが今の悩みです」と読者に語りかける新しいスタイルを模索したりと、見どころたっぷりです。そんななか、最もインパクトのある趣味を挙げているのはオリックス・奥浪鏡でしょう。


「食事」


 ぽっちゃり顔で微笑む奥浪の写真、その横には「食事」の二文字。すばらしい予定調和です。「食事」は趣味でも特技でもありません。ただの生命維持活動です。同じく重量級選手である埼玉西武・山川穂高「ピアノ(耳コピーができる)」と意外な特技を紹介しているのとは正反対。見た目通り、期待通り、それが奥浪の趣味「食事」。


 もしかすると西武・中村剛也の趣味欄のように「食べ歩き」と書きたかったのかもしれません。でも可愛いからこれでいいのだ。そんな奥浪には「早く一軍で活躍して情熱ホルモンお食事券いっぱいもらおうね賞」を贈らせていただきます。

「番記者寸評」も多種多様

 さて、ここまでいろんな項目を見てきましたが、各選手名鑑においてその個性が最も出るのが「番記者寸評」ではないでしょうか。期待の若手には「飛躍の年」、伸び悩む選手には「背水の陣」などと、あらゆる寸評がこの『写真名鑑号』にも掲載されています。

 

「じゃあ最もひどい寸評を書かれているのは誰だろう?」と探してみると、2人ほど見つかりました。一人目は13年目のベテラン捕手、東京ヤクルト・田中雅彦。彼につけられた寸評がこちら。


「今季も第二捕手の座を守り抜く」


 もうレギュラーになることは全く期待されていない状態。なんたる低い目標設定なのでしょうか。田中捕手はぜひこの言葉を発奮材料にして、中村悠平を脅かす存在になってもらいたいものです。


 そしてもう一人の「ひどい寸評」は、期待の2年目、阪神・江越大賀


「『駒大出身、背番号25はダメ(笑)』と金本監督にイジられつつ、右の大砲を目指す」


 これはひどい。かつてこんなトリッキーな右の大砲の目指し方があったでしょうか。もちろん「駒大出身、背番号25」とは阪神から広島に出戻った新井貴浩のこと。金本による新井イジりは日常茶飯事ですが、度を越すと若手選手の寸評欄に迷惑をかけてしまうのですね。被害者である江越には同情の気持ちを込めて「新井が悪いで賞」を贈呈します。

カネシゲタカシ
カネシゲタカシ

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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