米国で見たスポーツ観戦の新潮流 ITの進化が膨らます価値

渡辺史敏

スーパーボウルで登場「フェイスブック・スポーツ・スタジアム」

全米で1億1440万人が視聴したNFLスーパーボウル 【Getty Images】

 現地7日(日本時間8日)に行われた第50回スーパーボウルはデンバー・ブロンコスがカロライナ・パンサーズを24対10で破り3回目の優勝を果たした。米国で最も人気を集めるこの一戦を、全米テレビ史上3番目に多い、1億1440万人が視聴。そんな超人気スポーツイベント、スーパーボウルに合わせ、スポーツ観戦のスタイルをITの最新技術を使い、進化させようという新サービスと将来のビジョンが明らかになった。

 SNSの雄、フェイスブック社が先月20日に発表し、限定スタートしたのがソーシャルとコミュニケーションのスポーツ・ハブになることを目標とした「フェイスブック・スポーツ・スタジアム」だ。この新機能はスポーツのゲームごとに専用ページを用意し、そこにゲームのニュースやフェイスブック上の友達や専門家のコメントをそろえ、リアルタイムにそれらの情報を閲覧できるようにするというもの。スタジアムで友達や専門家とゲームを観戦しているかのような体験ができるとうたわれている。

 テレビ観戦をしながら手元のデバイスでネット利用する、いわゆる“セカンド・スクリーン”を狙ったサービスだといえるだろう。実際デジタル・マーケティング企業のセールスフォース・マーケティング・クラウド社はゲーム前の調査で、「スーパーボウル中継の視聴者の82%が観戦中にスマートフォンを使うだろうと回答した」との調査結果を発表していたほどである。

スポーツ観戦の新たな形を感じるも……

スーパーボウルでお目見えしたフェイスブックの新サービス「スポーツ・スタジアム」。発展途上を感じさせる面もあったが、新たなスタイルを感じることもできた 【写真提供:渡辺史敏】

 さて、そのスポーツ・スタジアムだが、当初は米国国内、アイフォーン限定と発表されていた。が、現地での取材の際、筆者がウインドウズとアンドロイドのスマートフォンで試したところ、どちらもアクセス可能だったのである。

 そこでゲーム中に試したところ、事前に発表されていたように、対戦カードやゲームの日時、放送局やその時点でのスコア、アンドロイド版ではPlay by Playと呼ばれるテキスト実況も表示されるようになっていた。さらにはゲームに関連した専門家や友達の投稿なども集められており、たしかにスポーツ観戦の新たな形が感じられた。

 だが、閲覧を進めていくとスコアやPlay by Playの表示はリアルタイムに更新されているとはいえず、ひどい時には数分も同じままだったりもした。さらに専門家の投稿などもなぜか古いものが上部に表示されたり、全国紙USAトゥデーが提供したカバー写真もゲーム中にもかかわらず、開始前の練習時のものが掲示されることも。とても快適な使用環境とはいえなかったのである。正式版ではないウインドウズとアンドロイド版だからかと思ったが、アイフォーンでも同じだったようだ。

 今回のフェイスブックによるスポーツ・スタジアム導入はリアルタイム性で優位にあり、スポーツでの活用が多いツイッターとスナップチャットに対抗するための策だという見方が強いが、まだまだ発展途上にあることを示してしまったといえるかもしれない。

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著者プロフィール

渡辺史敏

兵庫県出身。明治大学卒業後、科学雑誌編集部勤務を経て、1995年にフリーランスとして渡米。以降19年間、ニューヨークを拠点に、NFLやサッカーを中心としたスポーツと、インターネット、TV、コンピュータといったIT分野の2つをカバーした。2014年春に帰国したのをきっかけにフリーランスのジャーナリスト業の傍ら、NFLの日本における窓口NFLジャパン リエゾン オフィスでPRディレクターを兼務。

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