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浅田真央、最後の無邪気な勝利宣言
写真で切り取るフィギュアの記憶

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 選手の数だけそれぞれの物語がある。笑顔、涙、怒り……こうした表情とともにこれまで多くの名場面が生まれてきた。後世まで脳裏に刻んでおきたいフィギュアスケートの記憶を写真で切り取る。


「浅田真央 世界選手権(2007年)」

【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 ライバルに勝ちたい――。


 アスリートとして当然のそんな欲望も、ある日を境に、簡単には口にできなくなるもの。浅田真央が「(キム・)ヨナに勝ちたい」という言葉を最後に口にした試合、それが2007年3月の世界選手権でした。


 同い年の浅田とキム・ヨナは、子どもの頃から何かと比較されてきた天才少女。07年世界選手権は、2人にとって初めてシニアの“女王”対決でした。


 日本ではフィギュアスケートが大ブームになった直後、しかも東京で行われる大会とあって、メディアは過熱気味に、浅田とキムのライバル対決を盛りあげます。


 そんななか、16歳の浅田はあっけらかんと答えました。


「全日本選手権ではトリプルアクセルが跳べたし、精神的に強くなりました。優勝したい。ヨナに勝ちたいです」


 若々しい勝利宣言。すっきりとした、明快な笑顔でした。


 浅田は、公式練習から「トリプルアクセル」も「3回転+3回転」も絶好調。キムの方が腰痛や緊張感で、動きが硬くなっていきました。

野口美恵
元毎日新聞記者、スポーツライター。自らのフィギュアスケート経験と審判資格をもとに、ルールや技術に正確な記事を執筆。日本オリンピック委員会広報部ライターとして、バンクーバー五輪を取材した。「Number」、「AERA」、「World Figure Skating」などに寄稿。最新著書は、“絶対王者”羽生結弦が7年にわたって築き上げてきた究極のメソッドと試行錯誤のプロセスが綴られた『羽生結弦 王者のメソッド』(文藝春秋)。

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