日本代表選手が語るエディー・ジョーンズ シックス・ネーションズで新たな挑戦へ
イングランド代表HCに就任し、選手を鼓舞するエディー・ジョーンズ 【写真:ロイター/アフロ】
大野均「イングランドの才能を活かせるか」
大野均(左)はジョーンズ前HCが「どんな編成でどんなラグビーをするのか楽しみ」と語る 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
また、チーム作りに関しては「日本のような厳しい練習は、イングランドでは受け入れられないと思いますが、どんなチームに仕上げてくるか」と、日本代表を勝利に導いた手法が取れない中、手腕に期待する。さらに、「エディーさんと一緒に日本代表のFWコーチだったスティーブ・ボーズウィックも、イングランドのFWコーチになったので、ライアウトやモールにも注目したい」
ただし、大野の優勝予想は「今年もアイルランド(2連覇中)。もともと好きなチームです。ワールドカップでは優勝候補と言われていましたが、準々決勝で敗退してしまいました。強いプライドを持って戦ってきますし、戦力も十分ですし、SO(スタンドオフ)のジョナサン・セクストンがどういったゲームコントロールするのか、興味があります」
そのほかに気になる国を聞いてみると、世界ランキングが欧州6カ国では一番上のウェールズ(世界ランク4位)を挙げた。「真面目なチームで、自分たちの強みを前面に押し出してくると思います。ワールドカップとあまりメンバーも変わっていませんし、意地を見せると思います。突出したスター選手もあまりいないので、全員ラグビーで戦い、日本に似ているかなと思います」。そのウェールズは、このインタビューの後、日本代表と11月に戦うことが発表された。
さらに大野は日本代表がワールドカップで敗戦したスコットランドの戦いぶりも注目してみたいと言う。「スコットランドは昨年のシックス・ネーションズは全敗しましたが、ほとんど僅差での敗戦でした。また、6月に日本が対戦するので、どこか隙はないのか見たいですね」と注目している。
畠山健介「ワールドカップ優勝へ向け、チャレンジの1年目」
ジョーンズ前HCの下で、南アフリカ戦勝利という快挙を成し遂げた畠山 【写真:アフロ】
そのイングランドが開幕戦で対戦するのが、W杯で日本代表も対戦したスコットランド。「スコットランドは去年のシックス・ネーションズで全敗、W杯での終わり方も良くなかったですが、ベスト8に入りました。勢いというものは確実にありますし、本気で勝ちにくるんじゃないかと思っています。だからイングランドとスコットランドの2チームが今年は盛り上げてくれると思います」と、畠山は開幕戦に注目している。
それ以外の国の印象を聞いてみると「フランスは2011年のワールドカップで対戦しましたが、やはりメンタルに波があるイメージです。そこが安定すれば、高い能力を発揮できると思います。コーチが新しくなったので、そこをどうコントロールするかが見どころです。イタリアはシックス・ネーションズでは一番新しいチームですが、FWも強く、BKにも良い選手がそろっているので、セットプレーを安定させることができれば、良い戦いを見せてくれると思います」
シックス・ネーションズの魅力を語ってもらうと、FW第1列らしい視点を披露した。「やはり、スクラム、ラインアウト、モールといったFWが主な戦場というのが強いイメージですね。特にシックス・ネーションズは互いのプライドをかけて戦うという対抗戦の意味合いが強いと思います。だから、W杯と同じくらい負けたくない、勝ちにいく試合になるので、FW戦も激しくなると思います。ただ、W杯からの流れで、かなり速い展開も加わるかなと予想はしています」
さらに、「W杯で引退する選手が多いので、今年のシックス・ネーションズは新しい選手、才能が発掘されると思います。そういった楽しみもありますし、個人的には各国のプロップの選手に期待はしています」。最後に優勝予想を聞くと「ズバリ、期待を込めてエディーさんのイングランドで!」と笑った。