【UFC】ジョンソンがLヘビー王座へ一歩前進 ジョシュはMMA42戦目で初一本負け

長谷川亮

ジョンソンがベイダーに1RKO勝利

アンソニー・ジョンソンがライアン・ベイダーを1RKOで下し、ライトヘビー級戦線でベルトへ一歩前進した 【Getty Images】

 UFC「UFCファイトナイト」が日本時間31日(現地時間30日)、米国ニュージャージー州ニューアークで開催された。

 メインイベントはランキング2位のアンソニー・ジョンソンと4位のライアン・ベイダーによるライトヘビー級5Rマッチ。

 前戦で元王者のラシャド・エヴァンスを降し、ここまで5連勝と好調のベイダーは、得意とする遠い間合いからのタックルで開始から仕掛けるが、ジョンソンは大きく足を後ろに引いてテイクダウンを許さない。そこからジョンソンが背後に回るとベイダーはアームロックを狙うが、ジョンソンは腕を極めさせないよう保ったままマウントポジションに移行。

 盤石のマウントからバックポジションへ移行し自慢の強打を炸裂させ、ジョンソンがわずか1R1分26秒、KO勝ちを果たした。

停止処分明けのジョーンズとの試合も!?

ベイダーはここまで連勝で来ていたが、この敗戦で一歩後退となった 【Getty Images】

 2008年にUFCの登竜門番組「TUF8」で優勝して以来の念願であるタイトルマッチへあと一歩と思われたベイダーだが、この敗戦で一歩後退。逆に初回KOでインパクトを残したジョンソンは「ベルトを取りたい」と試合後のインタビューでもアピールした。

 現在ライトヘビー級の王者は元レスリング五輪選手であるダニエル・コーミエ。それ以前はジョン・ジョーンズが8度の防衛を成し遂げ絶対王者として君臨していたが、ジョーンズは自身の起こした不祥事によりタイトル剥奪となり、無期限出場停止処分に。それを受け王座決定戦が実施され、アンソニー・ジョンソンを3Rスリーパーホールドで降して王座に就いたのがコーミエだった(15年5月)。

 その後、コーミエは身長195センチのアレクサンダー・グスタフソンを辛くも退け初防衛に成功(15年10月)。無期限出場停止処分の解かれたジョーンズは今年復帰が噂されておりランキングも1位であることから、コーミエとの復帰戦での、あるいは早期タイトルマッチが予想される(※両者はジョーンズ8度目の防衛戦で15年1月に対戦し、ジョーンズが判定勝ちを収めている)。

 また、この日勝利した強打者ジョンソンとジョーンズの組み合わせもスリリング。過去には攻撃に下がらず圧力を掛けていくタイプに苦戦した試合もあったジョーンズだけに、近距離で強みを発揮するジョンソンはやり辛い相手となるかもしれない。

ロズウェルがタイトル挑戦へ前進

ジョシュ・バーネットはMMA42戦目にして初の一本負けとなった 【Getty Images】

 今大会のセミファイナルでは昨年9月の日本大会以来でジョシュ・バーネット(8位)が出場、ベン・ロズウェル(7位)とランカー同士のヘビー級マッチを行った。

 日本大会ではロイ・ネルソンの剛腕を炸裂させず、ヒジ・ヒザといった攻撃を駆使したテクニカルな展開で判定勝ちしたジョシュは、サウスポーに構えての右ジャブで止め、ロズウェルが前に出んとしたところへ左ストレートを突き刺す(1R)。

 ロズウェルは顔から出血が見られ、ペースを握り始めたかに思えたジョシュは2Rからテイクダウンを狙って組み付いていくが、ラウンド中盤、片足タックルへ入ったところへロズウェルがカウンターのフロントチョーク(ゴゴチョーク)。関節技に長けるジョシュだけに対処してエスケープするかに思われたが、金網に押し込む形で絞め上げられまさかのタップアウト。

 19歳でデビューし、この試合でプロMMA42戦目となるジョシュだが初の一本負けとなり(※グラップリングでは過去に一本負けを喫した試合がある)、逆にこれで4連勝となったロズウェルは現在ヘビー級ランクで3位につけるアリスター・オーフレイムを2014年9月にKOしていることもあり、タイトル挑戦に繋がる大きな1勝を手にした。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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