イサミが新団体BASARAを旗揚げ 「もっと自由にやる!」と感激の涙

高木裕美

世界一の“傾奇者”を目指して

DDTの新ブランド・プロレスリングBASARAの旗揚げ興行は超満員札止めの観客を動員した 【横田修平】

 DDTプロレスブランドの新団体、プロレスリングBASARA旗揚げ戦「伐折羅・壱〜乾坤一擲〜」が21日、東京・新宿FACEで行われ、超満員札止めとなる600人を動員した。

 同団体は昨年10月にユニオンプロレスが解散した際、エースであった木高イサミが「新しい家を作る」と、新団体設立を宣言。「派手な格好をして体制に反逆する」という「傾奇者(かぶきもの)」を意味する言葉から、団体名を「BASARA」と名付けた。今後は地方興行なども含め、月に1、2度開催される予定だ。

 試合開始前にスーツ姿で挨拶を行ったイサミは、緊張のためカミカミになりながらも、「自分が楽しむ準備、皆さんを楽しませる準備はできている。皆さんもおもしろい応援をしてください。熱い応援はもう飽きたんだよ!」と、早くも“BASARA流”を訴え。試合後は、感極まって涙を流しながら、所属選手たちに「もっと自由にやろうぜ。自由を探そう。オレたちが世界で一番の傾奇者になるぞ。世界中に行くぞ!」と呼びかけた。

「もう甘えてていい時代じゃない」

メインでは所属の4選手によるタッグマッチ。最後はイサミが風戸に勝利した 【横田修平】

 メインイベントでは木高イサミ&塚本拓海組vs.FUMA&風戸大智組という、所属選手4人によるタッグマッチが行われ、20分を超える熱戦の末、イサミが勇脚・斬で風戸に勝利。様々な団体で活躍の幅を広げ、現在はDDTのKO−D無差別級王者でもあるイサミが、自らの勝利によって新団体の門出を祝った。

 塚本は巨大なハンマー持参で入場。イサミ、塚本組が力の差を見せ付けると、風戸は塚本をヘッドシザースで場外へ落としてトペ。FUMAも客席のテーブルからイサミにムーンサルトアタックを決めるが、イサミも負けじと客席の手すりを飛び越えてダイブしていく。15分過ぎには、イサミが風戸に昇龍拳、雪崩式フランケンシュタイナー。FUMAがダイビングエルボードロップ、風戸がジャンピングキックで食い下がるも、イサミがラリアット。4者ダウンとなる激しい攻防から、イサミが風戸に勇脚・斬をブチ込み、フィニッシュを決めた。

 試合後、イサミは所属選手を全員リングに呼び込むと、「ユニオンでは(代表の)スーザンさんが全部やってくれた。でも、もう甘えてていい時代じゃない。もっと自由にやろうぜ!」と、今以上に自由で破天荒なリングにしていくと宣言。旗揚げ戦は超満員札止めを記録し、客席の熱で大いに盛り上がったが、「ここで満足してはいけない。慢心しないで精進していく」と気を引き締めた。

福田洋は関本に潔く完敗

全身星条旗のコスチュームで気合を見せた福田は、大日本・関本に潔いぐらいの完敗となった 【横田修平】

 セミファイナルでは、「ミスター・パーフェクト」福田洋が、大日本プロレスの関本大介と一騎打ち。福田は旗揚げに懸ける気合を見せ付けるかのように、星条旗の全身コスチュームで登場すると、さっそくの美声を披露。しかし、関本は得意のパワーファイトで、ボディースラム、ドロップキック、逆エビ固め、逆水平チョップと圧倒。福田もバックドロップからパーフェクトプレックスを狙うが、持ち上がらず、関本がアルゼンチンバックブリーカー、サソリ固め。福田もラリアットでダウンを奪うも、関本が滞空式ブレーンバスター、ラリアットから豪快なぶっこぬきジャーマンスープレックスで完勝した。

 見事なまでに玉砕した福田は「歌を使った正攻法ではなく奇策で臨んだ。パワー、スピード、テクニック、スタミナ、すべてにおいて潔く負けていた」と完敗を認め、すがすがしい表情を見せた。

中津は関根との騎馬隊を結成

DNAからBASARAへ移籍した中津良太はZERO1の日高郁人と一騎打ち 【横田修平】

 DDTの若手育成ブランドDNAからBASARAへ移籍した中津良太は、過去に自分が経験してきた野球と総合格闘技をイメージしたコスチュームで登場。オープニングマッチでベテランの日高郁人と一騎打ちを行った。

「口だけか。攻めろ!」という日高の挑発に、エルボー、ドロップキックで意地を見せ、エプロンからのランニングキック、フェースクラッシャー。日高が低空ミサイルキックからショーンキャプチャーを狙おうとしたところを足をつかんで阻止し、ハイキックの相打ちからラリアット、ジャーマンスープレックス、飛びつき腕十字固めと見せ場を作る。しかし、日高もカウンターのキックからミドルキックを連打し、イグチボムからの野良犬ハイキックに力尽きた。

 中津は、この日の第5試合でガムシャラファイトを見せた関根から「BASARAの特攻隊、騎馬隊にならないか」とスカウトされると快諾。「これからもやりたこいことをやっていく」と、BASARAマットを盛り上げたいという意気込みをアピールした。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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