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内山高志――最強のボクサーになるために
海外挑戦、統一王者、防衛記録を語る
11度目の防衛を果たしたWBA世界S・フェザー級王者・内山に2016年の展望を聞いた
11度目の防衛を果たしたWBA世界S・フェザー級王者・内山に2016年の展望を聞いた【写真:ロイター/アフロ】

 ボクシングのWBA世界スーパー・フェザー級王者・内山高志(ワタナベ)は、昨年末のタイトルマッチで同級6位のオリバー・フローレス(ニカラグア)に3回TKO勝利を収め、11度目の防衛を果たした。


 昨年5月に10度目の防衛を果たした後、左ひじの遊離軟骨除去手術を敢行。7カ月間の休養を経ての防衛戦では完全復調を証明し、具志堅用高さんが持つ世界王座13回の国内防衛記録更新も視野に入った。


 それと同時に、海外挑戦も期待されており、すでに元WBA世界フェザー級王者ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)との試合も噂されている。


 今回は、その内山にインタビューを行い、2016年の展望などについて聞いた。

11度目の防衛戦は「50、60点」

3ラウンドTKOの完勝だったが、本人は「50、60点の出来」だったと話す
3ラウンドTKOの完勝だったが、本人は「50、60点の出来」だったと話す【写真:ロイター/アフロ】

――オリバー・フローレス戦では3ラウンドTKO勝ちで11度目の防衛を飾りました。納得できる内容でしたか?


 全然納得はしていないですね。調子は良かったんですけど、試合では動きが固かった。自分のイメージの中ではこうする、ああする、これができるというのがあったのですが、実際にそうは運ばなかった。イメージトレーニングで組み立てていた動きとは全然違い、力み過ぎてしまっていましたね。採点すると50、60点くらいです。


――動きが良くなかったとは意外ですが、確かにKOは事前に想定していないタイミングで訪れたのかなという印象は受けました。


 相手はサウスポーなので右ストレートが突き刺さるかなと思っていたんですけど、自分の動きが固かったために踏み込みが遅くなっていた。2ラウンドには少し柔らかくなったんですが、思ったように体のキレが出なかった。そんなときに相手のボディが空いたのが見えて、打ったらそのまま(倒れた)という感じでした。もっと的確にストレートでダウンを取りたかったんですけどね。


――2014年の大晦日から3連続KO防衛です。36歳という普通なら体力的に下り坂の年齢ですが、まだ自分は強くなっていると感じますか?


 相手との相性もあるし、はっきりと強くなったというのは分からないです。陸上競技などと違い、ボクシングはタイムを計れるものではないですからね。ただ、記録として計れる筋力であるとか、走ったときのタイムであるとか、そういうものは少しずつですけど上がっている。そういった意味では伸びているなと実感できます。あとは年々、歳をとるごとに自信を持ってできるようになったし、試合前も焦らなくなった。この練習をしたかったとか、あれがやりたかったとか、そういった心配はなくなりました。

ウォータースとの試合は「イメージしている」

――これまでのキャリアですでに多くのことを達成されました。現時点での最大のモチベーションは?


 ボクシングを好きでやっているので、ただ勝負に負けたくないとそれだけです。自分より強いと考えられている奴がいるとしたら、そいつとやって、自分の方が強かっただろうと思わせたい。ファイトマネーももちろんそうですし、周囲の期待に答えたいとか、そういったものも含まれます。でも結局のところやっぱり自分が負けたくない、強い奴とやって、この階級では一番であると言われたい。そういった気持ちです。


――2016年の目標は?


(世界王座認定団体が)4団体あるので、統一したいという気持ちがあります。それができれば、その階級の本当の1位だと思うので、最終的にそうなれば良いなと。4つ同時にタイトルを持たなかったとしても、他のチャンピオンを倒していきたいですね。あと、最近では(ニコラス・)ウォータースの名前が対戦相手の候補として挙がっているので、彼とやって、勝って、強いなという印象を持ってもらいたい。その中で具志堅用高さんの防衛記録(13回)を超えたいというのもあります。


――元WBA世界フェザー級王者であるウォータースの名前が出ましたが、年末に彼にインタビューする機会がありました。ボクシングマガジン最新号に掲載される予定なのですが、内山選手の長所としてまずスピードを挙げていました。


 珍しいですね。たいていみんな今までの選手には“スピードはそれほどでもない”なんて言われてきたんで。


――「スピードと経験に裏打ちされた知性がある。スピードとパワーを兼備しているという意味で自分と似ている」というのがウォータースの内山選手評でした。


 凄い光栄ですね、高評価をしてくれて(笑)。


――3、4月にもアメリカ国内でウォータース戦という噂や報道がありました。これだけ話が出ているので、やはり現実的な対戦者として意識している?


 もちろんあります。まだ決まってはいないですけど、対峙したときのイメージトレーニングは考えたりもします。ウォータースの最大の長所は身体能力、もともと持っている能力ですね。(パンチを)よけた瞬間に自分のバネで打ち返してくる。よけた後、どんな態勢からでも強いパンチが打てる。それが一番の持ち味かなと。教えて打てるものではないというか。


――シェアできる限りでファイトプランを聞かせてもらえますか?


 この相手だからこうと考えていたら上手くはいかない。自分のボクシングを徹底することが大事ですよね。ただ、恐らくジャブの差し合いにはなると思うんですよ。そこで主導権を握れるか、握れないか。あとはやはり対峙したとき、構えたときにどう戦うかを考えます。あれだけの相手ですから、簡単に思い通りにできないと思うので。

杉浦大介
杉浦大介

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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