1カ月で交代も! テニス界のコーチ事情
杉山愛コラム「愛’s EYE」
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プレーヤーの成長を左右するコーチの存在

錦織圭のコーチとして日本でも知名度の高いマイケル・チャン氏(右)。技術面だけではなく、精神面のサポートもコーチの重要な役割だ
錦織圭のコーチとして日本でも知名度の高いマイケル・チャン氏(右)。技術面だけではなく、精神面のサポートもコーチの重要な役割だ【写真:アフロ】

 シーズンの変わり目のこの時期、トッププレーヤーのコーチ交代のニュースがぽつぽつ聞こえてきます。読者の方からも「選手はどういう時にコーチを代えるのですか?」というご質問をいただいています。


 同じコーチとずっと一緒に、もう10年以上も続けている選手もいれば、コーチが頻繁に代わる選手もいて、そこは本当にさまざまです。コーチ交代のタイミングとしては、シーズンオフに少しトライアルをしてみて、新しいシーズンから本格的にスタートというパターンが一番多いでしょう。トライアルの期間に、選手側からもコーチ側からもお互いの相性を見て、結論を出すのです。


 ツアーが始まり、全豪オープンなどに新しいコーチが同行しているのを見て、「新しいコンビ」だなと気付かされることもよくあります。意外なコンビができたなと感じることもありますし、最初からしっくりきている感じがうかがえて、「これはうまくいきそうだな」と思わされることもありますね。


 交代の要因としては、ひとことで言えば「心機一転」の意味合いが大きいと思います。コーチは選手にとって本当に重要な存在です。今まで一緒に活動していたコーチでも、選手が「もう、もらうものはないな」とか「卒業かな」と思い至れば、それを機に新しいコーチを探すことになります。選手によって、また、その選手がいるステージによって、求めるものはさまざまですが、基本的には「今の自分に何が足りないのか、それを与えてくれるコーチは誰か」という視点で探すのです。


 選手とコーチの付き合いはコート上だけのことではなく、生活そのものになっていくので、コーチである前に人として尊敬できるかということも、コーチを選ぶうえでの大きな要素です。

1カ月で交代するケースも

わずか1カ月でコーチを変更したというクルム伊達公子。裏を返せば、選手にとってコーチとはそれほどまでに重要な存在なのだとも言える
わずか1カ月でコーチを変更したというクルム伊達公子。裏を返せば、選手にとってコーチとはそれほどまでに重要な存在なのだとも言える【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 場合によっては、前のコーチが指導している選手と対戦することもあります。相手は自分の弱点もコーチに聞いているでしょう。でも、選手たちにとってコーチの交代は決して珍しいことではないので、そこはもう“お互いさま”と考えるしかありません。


 ただ、コーチを短期間で替えるという感覚が、プロになりたての私にはなかったので、ツアーを回り始めた頃はびっくりしました。(グランドスラム2勝の)メアリー・ピアス(フランス)のコーチが伊達(公子)さんのコーチになったとか、それが1カ月で辞めたという話を聞き、あまりに早い展開に「すごい、プロの世界ってこういうものなのか」と驚いたのを覚えています。


 でも、合わないなと思っているのに続けていたら、その時間が無駄になってしまいます。その意味では、正しい時期に正しいコーチと出会えるかどうかというのも、ひとつの運なのでしょう。


 選手が新しいコーチと活動しはじめたのを見ると「このコーチが彼(彼女)のどんな良さを引き出してくれるんだろう」と楽しみになります。最初の印象で「あ、この人は適任だな」と感じるケースも少なくありません。2013年のオフに錦織圭選手のコーチがマイケル・チャンに決まったと聞いたときは、すごく楽しみだなと思いました。2人の練習を見る前から「マイケルだったら絶対、圭の良さを引き出してくれる」と、わくわく感がありました。


 さて、2016年はどんな素晴らしいコンビネーションが見られるか、楽しみです。


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