スポーツアナリティクスが育む“知性”
有識者たちが語る最新の活用事例
日本スポーツアナリスト協会が昨年に続き第2回カンファレンスを実施。昨年の2倍以上の人たちが集まった
日本スポーツアナリスト協会が昨年に続き第2回カンファレンスを実施。昨年の2倍以上の人たちが集まった【スポーツナビ】

 日本スポーツアナリスト協会(JSAA)は19日、「SAJ2015 −スポーツアナリティクスジャパン2015−」を都内で開催した。同協会はスポーツに関するデータや数値の分析(スポーツアナリティクス)に携わる“スポーツアナリスト”が、競技を超えて連携強化及び促進する団体として昨年に発足。スポーツのあらゆる分野で活用が進んでいるデータ分析の重要性を広く認識してもらい、スポーツアナリティクスの価値向上を目指している。


 第2回カンファレンスとなる今回は、「スポーツアナリティクスが育む“知性<インテリジェンス>”」をテーマに、有識者の講演に加え、SAPスポーツアナリティクス甲子園と題した大学生によるスポーツデータ分析コンテストを実施し、最新テクノロジーを紹介する展示ブースも設置された。

Bリーグが重要視するデジタルマーケティング

バスケットボール市場拡大に向け、長期的な展望を語ったBリーグチェアマンの大河氏
バスケットボール市場拡大に向け、長期的な展望を語ったBリーグチェアマンの大河氏【スポーツナビ】

 最初の講演には、16年秋に開幕する新プロバスケットボールリーグ・Bリーグのチェアマンを務める大河正明氏が登壇した。大河氏は新リーグ設立の背景やリーグの概要を説明した後、バスケットボール市場拡大の柱として「デジタルマーケティングの推進」「権益の統合」の2つを挙げた。


「デジタルマーケティングの推進」とは、バスケ界で持つデータを統合したDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を構築し、マーケティングに活用していくこと。特にスマートフォンでのコミュニケーションを軸とし、スマホのみで情報提供やチケット購入といった試合観戦のサイクルを完結する世界を目指すとした。「権益の統合」は、協会やリーグ、クラブのスポンサーやテレビ放送といった権利を統合して販売することで収益の拡大を図ること。志は常に高く、バスケット界全体で共通の目標を追うことが重要と話した。

Jリーグがトラッキングデータ導入の成果を紹介

Jリーグセッションはパネルディスカッション形式で行われ、さまざまなトラッキングデータの活用事例が紹介された
Jリーグセッションはパネルディスカッション形式で行われ、さまざまなトラッキングデータの活用事例が紹介された【スポーツナビ】

 次に行われたのはJリーグのパネルディスカッション形式による講演で、パネリストは出井宏明氏(Jリーグ)、斉藤浩司氏(データスタジアム)、木崎伸也氏(NewsPicks)、上原聖治氏(スカパー!)。ファシリテーターとして日々野真理氏が登壇した。


 今季から導入されたJリーグのトラッキングデータについて、パネリストがそれぞれの立場から今季のデータ活用事例を紹介し、今後の展望を語った。共通していたのがデータはあくまでデータであり、それをどう解釈するかが重要であるということ。出井氏は「まだまだ導入したばかりであり、試行錯誤を続けている」と語り、現在のデータを見せて情報を伝えるだけではなく、今後は選手の強化・育成といった分野でもデータを活用していきたいという意向を示した。

アナリストに必要な5つの能力

「スポーツと都市再生」というテーマに取り組む石井氏。アナリストに必要な能力について語った
「スポーツと都市再生」というテーマに取り組む石井氏。アナリストに必要な能力について語った【スポーツナビ】

 続いてはスポーツコンサルタントとして「スポーツと都市再生」というテーマに取り組む野村総合研究所の石井宏司氏が演台に立った。石井氏は、講演の前半でスポーツ産業はグローバル化しており、日本がスポーツを経済政策の柱にしようとしていることを紹介。スポーツは他の産業を活性化する力を持ち、衰退している地方都市の再生と切り離せない関係にあると主張した。


 後半では、スポーツでもアナリティクスの重要性は高まっており、アナリストは進化しなければならないと説明。具体的に「モデル化能力」「戦略の引き出し」「『人間』と『組織』の理解」「意思決定能力」「伝達能力」という5つの能力を挙げ、各能力を磨く必要があると説いた。

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