中村憲剛「バルサの成功は“歴史の勝利”」 そこから日本サッカー界が学ぶべきもの
バルセロナの成功要因を「歴史の勝利」と語る中村憲剛 【(C)WOWOW】
中村憲剛(川崎フロンターレ)も、バルセロナに魅せられた1人だ。バルセロナの成功要因を「歴史の勝利」と語る中村選手の目に映るバルセロナの魅力とは。そして、日本サッカー界はそこから何を学ぶべきなのか。日本サッカー界の“インテリジェンス”が、そのヒントを教えてくれた。
バルセロナの強さと成功を支える「歴史」
中村が「世界最高のボランチ」と評するセルヒオ・ブスケツ 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
彼らはクラブとして、ボールをキープして攻撃するスタイルをカンテラ(下部組織)から一貫して持っています。その歴史や継続性はどのクラブにもないものであり、その土台があるおかげで、カンテラから上がってきた選手もスムーズにチームにフィットできる。長い時間をかけて創り上げてきたその「土台」こそ、バルセロナのすごいところだと思います。だからこそ僕は、バルセロナの今の成功を「歴史の勝利」だと考えています。
――現在のバルセロナの特徴といえば、世界最強ともいわれる3トップです。世界年間最優秀選手の称号である「FIFAバロンドール」の最終候補者3名の中にメッシとネイマールもノミネートされていますが、彼らに関してはどう評価されていますか?
メッシがけがで離脱している間のネイマールの活躍はすさまじいものがありました。ネイマールはまだ若い選手なので、このままコンスタントに活躍すればメッシに追い付くことも十分可能な選手だと思います。この2人にスアレスが加わったMSNは史上最強に近いでしょう。
――中村選手はセルヒオ・ブスケツを「世界最高のボランチ」と評していますが、彼のすごさについても教えてください。
前の3人(メッシ、ネイマール、スアレス)と比べると目立ちませんが、あのポジションで攻守にわたってハイレベルにプレーできる選手は決して多くありません。彼はどの選手がボールを持っても“逃げ道”を作るポジショニングをしてくれます。ボランチは周囲を敵に囲まれているので、ボールを奪われることを恐れて相手に隠れてしまう選手がいるくらいですが、彼はどんな時も顔を出してくれる。彼がそこに存在するだけで、無限にパスコースが生み出されるような、それくらいの存在感があると思っています。
ポゼッションやパスの能力も高く、彼がいることで前線の選手は攻撃に集中することができますし、後ろの選手も攻守において助けられているはずです。僕はブスケツが世界最高のボランチだと思っています。