豊マジック炸裂、モーリスは世界の主役へ 奥野庸介の香港国際レース回顧

JRA-VAN

香港カップ 武豊&エイシンヒカリ人馬一体

武豊マジックが炸裂! エイシンヒカリが香港カップを鮮やかに逃げ切った 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 フランスから遠征したゲイロショップの回避によって13頭によって争われた香港カップは“ユタカマジック”が炸裂した。

 エイシンヒカリ(武豊騎手、単勝38倍・9番人気)は、逃げ馬には不利な11番枠からの発走だったが、素早い動きで最初のコーナーに入る手前で単騎先頭に立ち、1000m通過を61秒5(推定)という緩ペースに持ち込んだ。直線入り口では後続馬群を引きつけて突き放す二枚腰を繰り出し、人馬一体となって世界の強豪を相手に堂々のG1制覇を飾った。

 1馬身差の2着に直線で内を突いて差を詰めたヌーヴォレコルト(R.ムーア騎手、単勝9.4.倍・6番人気)。昨年の覇者で単勝3.4倍の1番人気に支持されたデザインズオンロームはなし崩しに脚を使わされて、持ち前の破壊力が封じられて4着。2番人気の欧州馬フリーイーグルは3番手追走も直線で馬群に沈み、しんがり13着に大敗した。

 ステファノス(戸崎圭太騎手、単勝16倍・8番人気)は、8番手から直線順位を下げて10着で入線。オーストラリアのJ.マクドナルドを鞍上に迎えたサトノアラジン(単勝90倍、11番人気)はエイシンヒカリのつくるペースに乗り切れず11着に終わった。

まさに人馬一体! 武豊は8年ぶり8度目の国際GI制覇 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 勝ったエイシンヒカリはデビューから5連勝の後、G3朝日チャレンジCで9着に敗れたものの、そのあと重賞連勝を含め3連勝。前走のG1天皇賞・秋では2番手からの競馬で9着に敗れたが、武騎手の勧めもあってここに挑戦した。激しくイレ込んで敗れた前走から初の海外遠征が懸念されたが、自分の競馬を貫けたことで暴走することもなく、G2毎日王冠で見せた強いエイシンヒカリが蘇った。

 香港での日本馬のワンツーは2002年のG1クイーンエリザベス2世C(エイシンプレストンが優勝、2着にアグネスデジタル)以来。武豊騎手の海外G1制覇は8年ぶり8度目となった。

1/3ページ

著者プロフィール

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント