【REAL】兄マルコスがウェルター級王座防衛 弟サトシはトーナメント1回戦突破

長谷川亮

試合後には誕生日のお祝い

REALウェルター級王者マルコス・ソウザが藤井章太の挑戦を退け防衛に成功 【長谷川亮】

 格闘技イベント「REAL 3」が5日、神奈川・横浜文化体育館で開催された。大会メインイベントは、REALウェルター級タイトルマッチ。静岡のボンサイ柔術を拠点とする王者マルコス・ソウザがGLADIATORとDEMOLITIONの2冠王者である藤井章太を挑戦者に迎え、3度目の防衛戦を行った。

 ストライカーの藤井に左目を腫らされたマルコスだが、タックルで組みつきリフトアップしてテイクダウンするとバックにつく。そこからパワフルなパンチで藤井を打ち据え、藤井はこれを耐えしのぎ逃げんとしたものの、マルコスはフェイスロックからの連係でスリーパー。そのまま藤井を絞め落とし、マルコスが盤石の強さで王座防衛に成功した(1R3分18秒)。

 勝利が決すると、勝ち誇ることなくまず気を失った藤井の介抱に回ったマルコスはこの日が31歳の誕生日。慕われるその人柄を表すように、試合後のケージにはバースデーケーキが持ち込まれ、王座防衛と誕生日が一緒に祝われた。

イランの英雄アミールが圧勝

イランの国民的英雄として参戦したアミール・アリアックバリがトーナメント1回戦を突破 【長谷川亮】

 またヘビー級(120.7kg以下)トーナメント1回戦も開催。

 日本、韓国、米国、ブラジル、デンマーク、ポーランド、イランと国際色豊かなメンバーがそろった中で、一番のインパクトを残したのはグレコローマンレスリングで世界選手権を2回制し(2013年120kg級金メダル、2010年96kg級金メダル)イランの国民的英雄として参戦したアミール・アリアックバリ。218センチの長身を誇る米国の“ホワイトドラゴン”ラドゥ・スピンゲルと対戦した。

 開始すぐのタックルこそラドゥに受け止められたアミールだが、再び相手を吹き飛ばすような勢いを発してタックルに入ると、これでラドゥをテイクダウン。まずアームロックを狙い、そこからパワー溢れるパウンドを見舞うと瞬く間に初回TKO(1R1分01秒)。レスリングでの実績に恥じないド迫力ファイトで、難なく1回戦を突破した。

 その他、1回戦を勝ち上がったのは桜木裕司(日本)、クリスチャン・コロンボ(デンマーク)、ルイス・サントス“アバター”(ブラジル)。準決勝は来年3月に予定されている。

兄弟王座へ サトシが1回戦突破

ホベルト・サトシ・ソウザがトーナメント初戦を突破。兄マルコス・ソウザとのW王座に一歩近づいた 【長谷川亮】

 スーパーライト級(74.2kg以下)のトーナメント1回戦では、第4試合に登場したのは2012年と2014年のワールドプロ柔術を制し、2013年にMMAデビューを果たしたホベルト・サトシ・ソウザ。兄マルコス・ソウザがREALウェルター級王者であるサトシは、トーナメントを勝ち上がって兄弟王者を目指し、1回戦で初代DEEPミドル級王者にしてMMAで30戦を超すキャリアを持つ上山龍紀と対戦した。

 やや強引ながら勢いあるタックルで上山をテイクダウンしたサトシは、そこからバックにつきスリーパーを狙っていく。これは上山が腕を差し込ませ防いだが、サトシはそこから巧みに誘い、上山に正面を向かせて三角絞め。これもタップを拒んだ上山だったが、ならばとサトシは十字固めで腕を伸ばすと上山は為す術がなくなりタップ。

 この日メインで防衛を果たした兄同様、一度ポジションを奪ったら逃がさない極め力で、サトシがトーナメントメンバー中頭一つ抜けた強さを見せ、準決勝進出を果たした。

 その他、スーパーライト級トーナメント1回戦は岡野裕城、星野大介、金子優太の日本人ファイターが突破している。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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