【RIZIN】ヒクソン・グレイシー独占インタビュー「忘れかけた武士道を思い出してほしい」

長谷川亮

「RIZIN」参戦を決めたクロンの父である、ヒクソン・グレイシーさんに独占インタビュー 【長谷川亮】

 年末の12月29日、31日に開催されることになった格闘技のビッグイベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND−PRIX 2015 さいたま3DAYS」。“格闘技一家”のDNAを受け継ぐ2人による注目の一戦が決まった。

 ミュンヘン五輪レスリング日本代表の山本郁榮を祖父に持ち、母は元世界チャンピオンの山本美憂、叔父は総合格闘家の山本“KID”徳郁という一家の中で育った山本アーセンと、“グレイシー柔術”として最強の名を得たブラジリアン柔術一家にあり、その中でも最強と呼ばれたヒクソン・グレイシーの息子クロン・グレイシーが、年末の舞台で合いまみえることになる。

 MMAの未来を担う2人による戦い。それぞれのセコンドには、家族もサポートに回り、まさに格闘一家の意地を懸けた一戦にもなるだろう。

 今回スポーツナビでは、クロンの父であるヒクソン・グレイシーに独占インタビュー。注目の一戦への思い、そしてRIZINに願うMMAの未来について聞いてみた。

ヒクソン「ミスを犯した方が負ける」

「柔術はセルフディフェンスの技術」と語るヒクソン氏。その中でミスを犯さないことが大事だ 【長谷川亮】

――今回は昨年末に行われたクロン選手デビュー戦以来の来日ということですが、改めてあの試合の感想をお願いします。

 フィニッシュに関しては確かにいい形で、クロンがチャンスをつかんで極めたものだと思います。でも、それは彼がすごいということではなく、相手がミスを犯したのでそのミスを利用しただけです。クロン自身は謙虚に自分はまだやれること・学ぶことがたくさんあるという気持ちで、今も進化を続けています。打撃に磨きをかけなければいけないし、MMAの距離感というものも学ばなければいけません。やはりMMAファイターとしてはまだ発展途上の段階だと思います。

――話の途中でありましたが、やはり戦いの中でミスを犯さないことがグレイシー柔術において大切なことなのでしょうか?

 ミスを犯さないというのも間違いなく大切な要素です。しかしまずは自分が安全だという状態を作り上げることが第一です。なぜなら柔術はセルフディフェンスの技術だからです。そこから攻撃に転ずることができるので、まずは防御をしっかりする、それがミスをしないということにも繋がっていくと思います。

――ヒクソンさんの戦いにおける哲学として、やはりミスを犯した方が負けるというお考えなのでしょうか?

 ミスを犯した方が負けるというのは、他のスポーツであれ何であれ共通することだと思います。自分がミスをするのではないかと思いながら試合をしてはいけないですし、相手がミスをしたらそれを最大限に利用する、この両方の考え方ができることが良いファイターの条件ではないかと思います。

クロンvs.アーセンは「家族と家族のぶつかり合い」

息子クロンと“山本一家”のDNAを受け継ぐアーセンとの試合は「家族と家族のぶつかり合い」という構図にもなる 【長谷川亮】

――今回、クロン選手の2戦目は前回と同じくレスラー、そして優れた格闘DNAを持つ家族の選手(山本アーセン)が相手となります。この試合に関してはどのように思っていますか?

 正直、対戦相手のことに関してはよく分からないのですが、彼が実績ある格闘技一家の下で育ったことはよく知っています。たくさんチャンピオンを生み出している家系の若い選手ですし、非常に良いレスラーだと思っています。ただ、やはりまだ若いのでさほど経験はないのではないでしょうか。2人の戦いであることは間違いありませんが、加えて家族と家族がぶつかり合う、興味深い構図の試合だと思っています。クロンが勝つのは間違いないと思っていますし、試合を見るのが楽しみです。

――ヒクソンさん自身もそうだったと思いますが、歴史ある家族の名を背負って戦うことは負けられないプレッシャーがいっそう増しますし、やはり大変だったのではないですか?

 家族の誇りと名前を背負って戦うのは当然大きなプレッシャーがあります。ただ、そのプレッシャーというのは必ずしも悪いものではありません。プレッシャーをプラスに利用することも可能です。練習を怠けていたり、取り組みが100%でない時には負けたらどうしようとか弱気になったりネガティブに働きますが、クロンの場合は100%真剣に練習に打ち込んでいますし、そのプレッシャー、家族の重みというのが逆にプラスに働くのではと思います。試合で相手と向き合った時、自分の気迫とこれまで培ってきたことの重みが対戦相手に伝わるので、相手にとってはたじろぐようなプレッシャーになると思います。

――ヒクソンさんの活躍により柔術の強さが知られ、日本でも柔術が広まることとなりましたが、今回のクロン選手のRIZINへの参戦でどんなことを期待しますか?

 柔術がMMAにおいて効果的であるということはすでに証明されています。ですので、クロンはその伝統と歴史を引き継ぐ役目であり、しっかりバトンを受け取って成功してもらいたいと思います。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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