ハリルホジッチ「もっと良くならないと」 W杯アジア予選 カンボジア戦後会見

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ハリルホジッチ監督は試合を振り返り、「日本代表はもっと良くならないといけない」とコメントした 【写真は共同】

 サッカー日本代表は17日、カンボジア・オリンピックスタジアムでカンボジア代表とのワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップUAE2019予選に臨み、2−0で勝利を収めた。

 5日前のシンガポール戦(3−0)から8人のメンバーを入れ替えて臨んだ日本は、人数を掛けて守る相手を崩しきることができずにスコアレスで試合を折り返す。日本は後半開始から柏木陽介をピッチに投入すると、この采配が的中。柏木のチャンスメークからPKのチャンスを得ると、これは岡崎慎司が失敗しチャンスを逃すも、続く後半6分、柏木のFKが相手DFのオウンゴールを誘い先制に成功。後半45分には本田圭佑が追加点を決めて、2−0で試合を終えた日本がグループEの首位をキープした。

 試合後、日本のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「まず勝利はできた」と喜んだものの、「前半はまったく満足していない」「日本代表はもっと良くならないといけない」と浮かない様子で試合を振り返った。「一応勝った」という指揮官の言葉が、今年最後の試合を物語るものとなった。

 日本は来年の3月24日に、埼玉スタジアムでアフガニスタン代表と対戦する。

何人かにはもっとやってほしかった

 まず勝利はできた。後半は良くなったが、前半はまったく満足していない。いろんな選手をトライし、補完関係のない選手を使ったのは私の責任だ。そのため前半は少し混乱が起きた。後半はかなり良くなり、いつも通り多くのチャンスを作ったが、2点しか取れなかった。選手には祝福しないといけないが、日本代表はもっと良くならないといけない。

──ハーフタイムの指示と、柏木を投入したことの狙いは?(大住良之/フリーランス)

 皆さんもご覧になったように、彼が入っただけでゴールに近づくこともできたし、PKも得ることができた。柏木は後ろからの組み立てで必ず必要な選手だし、ダイアゴナル(斜め)のパスが入ったし、相手の背後にもパスを送ることができた。彼を呼んだ時には最初にその話をした。また彼は、前線の動き出しもできる。前線の選手たちも良いパスコースを作り出してくれた。相手はものすごく頑張るチームだが、何人かが疲労でグラウンドに倒れていた。彼らは素晴らしい選手たちだった。

(ハーフタイムでは)特に中盤と前線で、それぞれダイレクトに伝えたことがある。「背後への動き出しとオブリック・ランニング(編注:斜めに走りながら「く」の字を描くように鋭角的に方向転換する動き出し)をしっかりやってくれ」「柏木と山口(蛍)を中心にしっかりビルドアップしてくれ」、(香川)真司には「岡崎と違う動きをしてくれ」と伝えた。

──カンボジア代表とGKについての評価は?(カンボジア人記者)

 真実を言いたい。(カンボジアは)素晴らしく戦うチームだ。そして守備的なチームで、カウンターアタックを仕掛けてくるチームだ。ただ、これはアジアの監督たちへのメッセージなのだが、毎試合このようなプレーをすると向上しない。チームを発展させたいのであれば、勇気をもって前への攻撃をするべきだ。おそらくそれが原因で、アジアは低い地位にとどまっているのだと思う。

──いろんな選手を試す意味合いがあったと思うが、その評価は? また昨日の会見で「美しく(今年を)終えたい」と言っていたが、どうだったか?

 この2試合で18人から19人の選手を使ったが(編注:正確には20人)、これはまれなことだし、おそらく皆さんも初めて見た現象だと思う。リスクはあったが、なぜこれをやらなければならないかについては理解している。この予選の段階で、それをするのは可能だと思っていた。A代表でどういう振る舞いをするのか。彼らには、自分たちのクラブとはまったく異なることを要求している。もちろん、オートマティックやビルドアップでは、常にハイレベルなものができるわけではないが、何人かの選手にはもっとやってほしかった。

 後半は少しバランスが整ってきて、われわれのプレーがより豊富になった。ボールが速く、サイドにも背後にも行くようになった。柏木や本田がプラスをもたらしてくれた。私のチームに関して、たくさんの情報を得ることができた。美しさについてだが、一応勝った。もう少し点は取れたと思う。

カンボジア代表、イ・テフン監督のコメント

カンボジア代表のイ・テフン監督は、「100パーセントの力を出してくれた」と選手たちをねぎらった 【Getty Images Sport】

 選手たちは良くやってくれた。そして彼らは非常に疲れていた。リーグ戦がありほとんど休んでいなかったし、給料もあまりもらっていない。彼らにはモチベーションが必要だったが、多くの観客からパワーをもらうことができた。

 日本でのアウェー戦は難しかったが、今回はホームということでモチベーションが選手にはあった。ハードワークでトライし続け、100パーセントの力を出してくれた。(チームがディフェンシブだったことについては)日本とは実力差があったので仕方のないことだ。これはW杯予選だ。多く失点するわけにはいかなかった。

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