KEI山宮、“悔しさ”で一区切り撤回 100試合達成で再燃した勝利への欲

長谷川亮

KEI山宮がプロ格闘技100戦を達成

プロ格闘技100戦目を達成したKEI山宮(右) 【長谷川亮】

 1996年7月にパンクラスでデビュー、2000年9月に初代ライトヘビー級王者に就き、2003年11月にGRABAKAへ移籍、現在も戦い続けるKEI山宮が7日、神奈川・横浜ラジアントホールで開催された「ハードヒット〜starting point」においてプロ格闘技100戦目となる試合を迎えた。

 記念すべき試合で対戦相手となったのはパンクラスismの川村亮。川村とはここまで99戦の中で2度対戦し、2007年12月の初対決では山宮が判定勝利を上げるも、翌2008年10月の第2戦では川村がリベンジして判定勝利。両者1勝1敗の決着戦として、7年ぶりの第3戦を迎えた。

 近年はプロレスラーなど自身で設けたテーマに沿っての仮装&入場で観客を楽しませてきた山宮だが、この日は敬愛するサザンオールスターズの入場曲に乗り、掌底時代のパンクラスを思わせる、シルバーベースに日の丸をつけたコスチュームで入場。セコンドには山宮をGRABAKAへと誘った郷野聡寛がつく。

川村亮に敗れハッピーエンドとはならず

試合は川村亮にマウントポジションを取られ、逃げることができずレフェリーストップとなった 【長谷川亮】

 試合は大きくサークリングして、そこから踏み込んでの打撃やカウンターを狙っていく、パンクラスで“KEI TIME”とも呼ばれた戦法を山宮が取るが、川村は構わず前に出て、山宮の掌底にオーバーフックの強打をすぐさまリターンし、重い右ローも当てていく。

 首相撲でのヒザも当て、コーナー際で脇を差し川村がテイクダウン。1度はレフェリーのブレイクで逃れた山宮だが、2度目に倒した後は川村がマウントポジションを取って逃がさず、川村はそこからバランスを崩さず非情なまでに掌底を振り落として集中打。ロープ近くにありながらエスケープは拒んだ山宮だが脱出はならず、身動きできない様を見てレフェリーが試合をストップした。13年3月、「U-SPIRITS again」での松井大二郎戦を最後に勝利から遠ざかっている山宮は自身100戦目を勝利で飾るのが期待されたが、ハッピーエンドとはならなかった。

 試合後、川村からマイクを手渡された山宮は、100試合目となる今回「川村亮をぶっ倒して一区切りと思ったんですけど」と、この試合での引退が頭にあったことを明かしたが、敗北しての悔しさは想像以上のものがあったようで、「川村、またやろう」と続闘を宣言した。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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