6番・中田が見せつけた勝負強さ 「楽な気持ち」で3安打5打点
同点に追いつかれた直後の9回裏、中田のサヨナラ打でメキシコに競り勝った 【Getty Images】
データの少ないチーム同士の対戦で、環境的に難しいからミスや失投が起こりやすい。日本が12安打、メキシコが13安打と乱打戦となったのは、ある意味で必然のことだった。
そんな一戦を勝利に導いたのが、侍ジャパンの元4番打者・中田翔だ。試合後、小久保裕紀監督はこうたたえている。
「今日は中田に始まって、最後はサヨナラヒットを打ってくれました。このシリーズに入ってからいい状態で、今日はそのまま結果につながったと思います」
先輩に4番の座を譲り…
それが中田にとって、ここまでは奏効している格好だ。5番に筒香嘉智をはさみ、6番に座る中田は韓国戦で2安打を放ったのに続き、この日のメキシコ戦では3安打、5打点の大爆発を見せた。
「(中村が4番にいることで)正直、楽な気持ちはありますし。それ以上に前と後ろにすごいバッターがたくさんいますので。そういう意味でも、楽に立てているかなと思います」
本心かはわからない。小久保監督が就任して以来、4番を任されてきた自負があるはずだ。いくら大阪桐蔭高の先輩が代表入りしたからといって、やすやすとポジションを譲り渡す気はなかっただろう。
だがメキシコ戦後、稲葉篤紀打撃コーチは“中村効果”を口にした。
「中村が4番に座ることによって中田まで機能させました」