ハミルトンの強さは走りだけにあらず 過去の偉大な王者と同じ資格を持つ
4度目の王者の可能性は十分
メルセデスの強さを考えれば、来季ハミルトンが4度目の王座をつかんでも不思議ではない。引き続き、有利な立場で戦えるだろう 【Getty Images】
まだシーズンは続いており、少し早いかもしれないが、気になるのはハミルトンの今後だろう。子どものころから憧れていたセナと同じ3度目のワールドチャンピオンを獲得し、勝利数では追い抜いたハミルトンの天下は果たしてどこまで続くのか。プロストやベッテルに並び、さらに偉大なファンジオの記録に追いつくだろうか。
少なくとも4度目の戴冠のチャンスは大いにありそうだ。シーズン中の開発が認められたとはいえ、レギュレーションに大きな変更がない16年シーズンはパワーユニット(PU)に大きなアドバンテージを持つメルセデスが有利な立場でレースを戦える。そこにフェラーリPUのベッテルと、ホンダPUのアロンソが挑戦する形となっていくだろう。
一方、ワークスとしてメーカーと組むことができないレッドブルは厳しい。それどころか、いまだ搭載PUさえ決まっておらず、16年シーズンのマシン開発の遅延は明らかだ。最強シャシーで4年連続王座を獲得してきたレッドブルが自滅している時点で、すでにハミルトンには追い風が吹いている。
世界中にいるハミルトンのファンは、コース上でのバトルが多いハミルトンの走りに魅了されている。ベッテルやアロンソにもバトルはある。だが、ハミルトンにはどこか80年代から90年代のドライバーたちが持っていたが、独特の危うさと情熱を感じることができる。92年の王者であり、英国で圧倒的な人気を誇っていたナイジェル・マンセルもその魅力を語っていた。
「ハミルトンは僕の大好きなドライバーだ。彼の走りはワクワクする。僕たちの時代のような、男のレースというものを感じることができるからね」