総合格闘技を五輪種目にするために 世界MMA連盟CEOインタビュー
先日、このIMMAFのCEOであるデンサイン・ホワイト氏が来日。UFC JAPANを視察するとともに、総合格闘技団体パンクラスの酒井正和代表と旧交を温めた。
聞けば、デンサインCEOはかつて柔道家として五輪に3度も出場したことがあるという。英国の英雄は、なぜMMAの世界組織の代表となったのか?
(聞き手:布施鋼治)
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UFCからの要請で活動をスタート
世界MMA連盟「IMMAF」のデンサイン・ホワイトCEO(左)が来日。パンクラスの酒井正和代表(右)と旧交を温めた 【布施鋼治】
29カ国から129名の参加がありました。カテゴリーは男子9階級、女子4階級です。パンクラスの酒井正和代表と初めて出会ったのもこの大会でした。そもそも日本はアジアの中でも最重要国なので、IMMAFにとっても日本は重要なパートナーと考えています。しかもアジアのマーケットは大きいので、酒井代表と一緒にやれるということは、われわれIMMAFにとっては大きなターニングポイントだと捉えています。
──現在の肩書はIMMAFのCEOと聞いております。就任した経緯は?
昨年11月に「IMMAFのCEOになって欲しい」という打診を受けました。その2年前から組織は誕生していたけど、今後IMMAFがもっと発展していくために、あるいはもっと改革していくために自分の存在を求めたというのがきっかけです。
──プロフィールを見ると、過去3度も英国代表として五輪に出場するなどずっと柔道畑を歩んでいます(最高位は5位)。にもかかわらず、なぜMMAに興味を抱いたのですか?
もともとIMMAFの代表はブラウンさんという方で、もともとは英国柔道連盟の要人だった。そうした中、以前からIMMAFのサポートをしているUFCから「もっとアマチュアの活動を活性化してほしい」という要請があった。そこで英国柔道連盟のチェアマンを11年間務めていた私に白羽の矢が立ったわけです。そこで当時のIMMAFの重役たちとも面接し、彼らの合意を得たうえでCEOに就任しました。
3カ年計画で組織を改革
MMAをスポーツとして認知させよう。それがひとつの課題だと思っています。スポーツといえば、五輪。そこでIOC(国際オリンピック委員会)への働きかけが第一です。五輪種目になることがスポーツとしての認知を早める。
──しかし、一朝一夕で片づく問題ではありません。
だからMMAのスポーツ化を推進させるためにやることはいっぱいあります。まずはコーポレート・ガバナンス(企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、長期的な企業価値の増大に向けた経営の仕組み)を整えていく。たとえばそれはアンチドーピングだったり、それに付随したメディカルの部分だったり、大会の開催計画だったりするわけです。
──今後の大会開催計画は?
いまのところアメリカ、アフリカ、欧州、アジア、オセアニアの5大陸・地域の大会と世界選手権の開催を考えています。さらに参加選手による各階級のランキングを作成することも。そういったことを3カ年計画に基づいて細かく作っていく。IOCに一番近いところにスポーツコート(スポーツ仲裁裁判所)という組織があるけど、原則としてすべての競技の連盟が必ず加盟しなければならない。なので、IMMAFもスポーツの中のひとつとして、そこに加盟しようと思っています。そのためにはまずスポーツコートに事細かな3カ年計画を提出しなければなりません。